メンズ営業の青木です。前回ジャケット向けの接着芯の選び方ということで芯地の基布についてお話しさせていただきました。
今回は多様化した表素材に対してどんな接着樹脂の接着芯を選べば良いのかといったことをお話ししようかと思います。
接着芯はしっかりと表生地とボンディングされて初めて機能するので十分に接着力が出るものを選ばなければいけません。
高密度タフタや強撚糸、撥水加工がされている生地など一般的な接着樹脂では十分な接着力が出ないことがよくあります。
なぜ接着力が出ないかというと、接着樹脂が熱で溶けてプレスされる際に通常は生地を構成する糸の中に溶けた樹脂が染み込み熱が冷めた後固まることで樹脂が生地に食い込んだ状態になる(アンカー効果)のですが、例に出した難接着素材は生地を構成している糸の中に接着樹脂が食い込みにくい(溶けた樹脂が入り込まない)ので接着力が出にくいです。
こういったタイプの生地に対してはポリウレタン系の樹脂が有効な場合が多いです。
ポリウレタン系樹脂は従来の樹脂(ポリアミド系)と違い溶けて糸に入り込むというよりも生地に貼り付く(粘着剤的)といった働きにより接着されます。
私は難接着かな?と思った素材の時に生地にセロハンテープを貼ってみてそのくっつき具合で芯地がつくか見当したりもします。
製品洗いや製品染の場合は後加工で高温の工程がかかることがありますので注意が必要です。
接着芯は高温で接着樹脂を溶かして生地に染み込ませるのですからボンディング後に高温をかけることで接着された樹脂が再度融解し剥離することがあります。
そういった事象を抑えるため接着樹脂自体が高温に耐えられるものを選択する必要があります。
接着樹脂の融点(溶ける温度)が高いものを選択すると良いです。
注意が必要な点は製造時に芯地を張る際通常よりも高温の接着条件を設定する必要がありますので縫製工場への指図を行う際はその点をしっかり留意するようにして下さい。
ユニフォームやデニムのダメージ加工物など高温の工程やメンテナンスが想定されるアイテムに関しましてはに使用この点に留意されると良いと思います。
特にお問い合わせや問題の発生しやすい2点をお話しさせて戴きましたが芯地に関して何か問題点や疑問点、お悩みなことがございましたら何なりとご相談下さい。
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