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麻素材について解説(リネン、ラミー、ヘンプ)

ApparelX NEWS編集部の鈴木です。

麻ってどんな生地なのか詳しく知っていますか?
衣類をはじめ寝具やカーテンなど様々な製品に使われています。

ホテルや病院にはリネン室という部屋があります。タオルやシーツや枕カバーなどを保管してある部屋なのですが、こういったアイテムは今ではリネンより綿が使われていることの方が多いと思うのですが、昔は綿が普及していなかったので布というと麻が一般的で、その名残でリネン室と言うそうです。
リネンが古くから生活に密着した繊維であることが分かります。

今回は、麻とは何か、リネンとラミーの違いについて解説していきたいと思います。

麻の特徴

・生地があまり伸びないので型崩れしにくい。
・コシが強く丈夫です。
・吸湿性が高いので、汗を素早く吸い取ってくれる。
・放湿性にも優れているのですぐに乾きます。
・使い込むほど柔らかくなっていくので、変化を楽しめます。
・短繊維から作られるので、摩擦で毛玉ができやすく、シワになりやすいのでお手入れが大変。

麻ってリネンの事じゃないの?

麻とは植物の茎の部分(靭皮)から取り出した繊維の総称を指し、その種類は20種ほどあります。
その中でも代表的なものがリネン、ラミー、ヘンプです。これらは麻の一種ではありますが、違う植物から作られるので、それぞれ素材の風合いは異なります。

リネン

亜麻(あま)という植物から採った繊維をフラックスといい、フラックスで作られる糸や生地のことをリネンといいます。
ラミーより柔らかく、しなやかな風合いです。
繊維が細く短いので、通気性が良い。サラッとしていて肌触りが良く、麻のイメージであるチクチクした感じがありません。
ヨーロッパ圏で古くから用いられてきました。

Linum-ground-cover.JPG

wikipediaより引用


ラミー

苧麻(ちょま)という植物の茎から採った繊維です。
硬めでシャリ感がある
チクチクするので敏感肌の人は要注意。毛羽をなくす加工をしている生地はチクチク感はありません。
繊維が太く長いので、リネンよりも強く、ハリやコシがあります。
通気性に優れていますが、リネンに比べると毛羽立ちが多いです。
アジア圏で用いられた麻素材で、日本でも古くから愛用されています。

Boehmeria nivea 1.jpg

wikipediaより引用

ヘンプ

大麻の茎から採取した繊維です。
危険薬物をイメージするかもしれませんが、使っている部分が違い、ヘンプ生地を使っても、もちろん違法にはなりません。
リネンやラミーよりもさらにシャリ感があります。
強く、固い手触りなので、衣類よりもバッグや帽子や、ロープの素材に適しています。
丈夫な植物で、農薬が必要ないので環境にも優しいです。

麻の表示に注意

糸や洋服など、繊維製品ではリネンと、ラミーの2種類のみが「麻」と表示できます。
ヘンプなど、それ以外の麻は指定外繊維となります。
洋服などで麻と表示されている場合はリネンかラミーが原料のものになります。
リネン100%と書かれていれば亜麻が使われている生地だということが分かりますが、麻100%と書かれている場合は、リネンかラミーかをはっきり特定することはできませんが、ほとんどの場合、ラミーであるが多いようです。
「ラミーリネン」とはその名の通り、ラミーとリネンを混紡した生地です。

11450 リネン/ラミーキャンバス(153cm巾)[生地] SUNWELL(サンウェル)

まとめ

麻は伸縮性があまり無いので、型崩れしにくいなど、そこが良いところでもあるのですが、シワ、ヨレが付きやすかったり、化学繊維に比べると扱いづらい素材と思うかもしれませんが、質感や見た目には独特の雰囲気があります。
風合いを生かしたファッションに取り入れたり、通気性の良さと速乾性を生かして暑い夏でもサラッと着れますし、保温性の高さから冬でも活躍できる素材で、シーズンを問わずに気持ちよく使えます。特性を理解して使いこなしたいですね。

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