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Preview In Daegu2025〜テグから見えた韓国繊維産地のこと〜

ApparelX Newsの山善です。

2025年3月5日から開催されたPreview In Daegu 2025に出展してきました。前回のソウルに続き、今回は韓国・テグという街について、アパレル資材商社の視点からレポートします!

テグという街について

工場見学

滞在初日に、韓国のシフォン生地などに強みを持つ企業のご協力のもと、撚糸工場・サイジング工場・織布工場・染色工場を見学しました。

この企業では撚糸工程を自社工場で運営している一方、後工程は協力工場を活用し、作りたい生地の種類によって工場を選択しているとのことです。染色工場は大体12社ほど契約しているようです。

それぞれの工場の公開可能な写真を掲載していますが、私が見てきた中でも合繊ということもあるためか工場自体は日本の工場よりは大きいと感じました。ただ、違いはそこまででなく、反物の管理は少し雑なように感じました。2枚目はP下の生地で、薬品につけるから汚れは溶けてしまうとのことでしたが、そうであっても日本では見られるものではありませんでした。また、ほとんどの工場ではネズミや害獣対策で犬を飼っているそうです。私は犬好きですが、海外の犬は怖いので近寄りませんでした。

テグは「繊維の街」

テグは繊維産業が集積する都市です。日本で例えるならば「米沢」や「尾州」のような産地ですが、私は尾州を訪れたことがないため、直接の比較はできません。しかし、テグでは多数の企業が集まり、まるで巨大な繊維産業の集合体のような印象を受けました。

例えば、染色工場が集まる区画は東京ドーム10個分ほどの広さがあり、大規模なエネルギー工場が蒸気を各工場に供給することで、生産効率を高めていました。

日本の繊維産地も同じエリアに工場が集まる傾向がありますが、テグでは一つの区画全体が染色工場として機能している点が特徴的です。「福井の産地もこのような形になっているのでは?」と感じました。

テグから見た韓国市場の動向

テグの繊維企業に話を伺うと、売上の70%以上が海外向けだとのこと。特に中東(ドバイなど)やヨーロッパ向けの輸出が多いそうです。

また、ザラ(ZARA)などのグローバルブランドは韓国の商社を通じて生地や製品を調達しており、韓国の生地メーカーにとっては、こうした商社への売り込みが重要なビジネスモデルになっています。

さらに、韓国の卸売市場「東大門(トンデムン)」の郊外には複数の生地倉庫があり、そこに生地を納品するケースもあるとのことです。

テグの街並み

食事

ソウル同様、韓国の「HOT」と表記された料理は、日本人の感覚では相当辛いです。朝食にコチュジャンプルコギがあったので食べてみたところ、驚くほど辛く、日本でイメージする「甘辛」とは全く異なりました。またどうしても辛味を感じたく、最終日にピリ辛きしめんを食べたところ、涙が出るほど辛く、少し寒気がするほどでした。辛いもんおが得意な人以外はピリ辛なものは激辛扱いしましょう。

景観

テグは山々に囲まれた盆地の街で、中心部からも周りの山々を見渡すことができました。

3月でもまだ寒さが厳しく、日本より少し寒い印象でした。街中には日本語の店名のお店も見られ、最近はラーメン店の数が増えているようです。


Preview In Daegu 2025について

展示会の構成は以下の通りでした。

機械関連の企業(全体の1/3)

主に工場向けの機械メーカーが出展しています。プリンター関連企業が多く、韓国のメーカーからエプソンまで幅広く展示されていました。工場向けということで、何に使うかはわからなかったですが、ワイヤーや、ベアリングなども展示されていました。

生地メーカー(全体の1/3)

韓国企業が大半でしたが、中国企業が約1/5を占めていました。日本からの企業では宇仁繊維の販売会社である宇仁テキスタイルさんが出展をしていました。
韓国の生地メーカーの多くは工場や在庫を持たない商社的な立ち位置の会社が多かったです。日本のコンバーターの立ち位置に感じました。ただ一方で、工場を所有し、海外向けに販売を展開している企業も存在していました。

マーケティング・メディア・デザイン関連(全体の1/3)

展示会運営企業やデザイン関連のブースが残りです。例えば、FaW Tokyoや各アジアのマーケティングを行っている企業がブースを出していたり、デザイナーブースがあって、製品の展示がされていました。


また来場者については、地元の企業関係者だけでなく、一般の街の住人も多かったように感じました。また、ソウルと比較して英語を話せず、韓国語のみの方が多い印象を受けました。

今後の展望

今後の出展については慎重に検討が必要ですが、日本市場に興味を持つ韓国の生地メーカーも一部存在していました。そのため、近いうちにApparelXにも韓国の生地が掲載される予定です。

例えば、銅(カッパー)を含む特殊な生地を扱うメーカーがあり、これはペットウェアなどで実績があるそうです。銅には抗菌・防臭効果や体温調節・静電気防止機能があるため、今後の展開に期待が持てます。

まとめ

今回で2回目の韓国出張となりましたが、ソウルとテグの違いを実感することができました。

  • ソウルは大都市であり、テグは中心部以外に工場や農業エリアが広がる産業都市
  • 治安は裏通りに入らなければ特に問題はなく、フレンドリーな雰囲気
  • テグにも雑貨やバッグなどのメーカーが存在している。

今回の出展を通じて、韓国市場の理解を深めることができたと同時に、今後のソウルでのビジネス戦略も具体化できそうです。

今後のApparelXでの展開もぜひご期待ください!


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