ApparelX Newsのヤマヨシです。
このブログは最も手頃で、使われているポリエステル裏地について解説します。種類が多すぎるが故に何を選べばよいか分からない、あるいは、今使っている裏地が自分の希望に合っているかを確認していただければと思います。
目次
ポリエステル裏地とは、合成繊維であるポリエステルを使用した裏地のことで、スーツ・ジャケット・コート・パンツなど幅広いアイテムに使用されています。現在市場に流通している裏地の中でも最も流通量が多く、コストや供給 面、物性の高さからもかなり取り扱いやすい裏地です。そのため、一部のハイエンドあるいは、特定のコンセプトに基づくブランド以外で幅広く採用されています。
織組織としては、タフタ、ツイル、サテンなど多岐にわたり、同じポリエステルでも風合いや滑り、光沢感は大きく異なります。また、ポリエステルの糸の太さはデニールと表記をされますが、糸の太さ(デニール)や打ち込み本数(密度)、後加工(帯電防止・制電・吸水加工など)によっても性能が変化するため、「ポリエステル裏地」と一括りにしても実際には非常に幅広いバリエーションが展開されています。トリコットや、メッシュなどのニット組織の裏地もあります。
そのため、他の素材に比べ比較的安価ではありますが、その中でグラデーションがあり、単に価格だけで選ぶのではなく、用途・求める機能・製品グレードに応じて適切に選定することが重要です。
ポリエステル裏地は、コストパフォーマンスと安定供給、物性の観点から最も使用されていますが、その特徴を正しく理解することが重要です。キュプラと比較されるケースも多く、「安い裏地」という印象を持たれがちですが、実際には用途次第で非常に合理的な選択肢となります。下記ではそのポリエステル裏地のメリットとデメリットについて解説します。
ポリエステル裏地の最大のメリットは、価格の安さではありますが、それ以外にも多くあります。
物性面では強度や、耐摩耗に優れていますし、寸法安定性や耐洗濯性にも優れています。
また、繊維自体は水分を吸収するという機能をもっていませんが、化学繊維のため、東レや帝人など合繊メーカーの素材開発により、天然繊維には真似をできない機能を持たせることが出来るのが最大のメリットではないかと考えています。
例えば、吸水速乾や、UVカット、接触冷感、抗菌、防臭などありとあらゆる機能を持った裏地が存在します。
最近は冬でも温かい気候が続きますが、本来裏地は①表地を美しく守る、②形を保つ、③滑り性をつけるもので、汗をかいてしまうからこそ、吸水速乾や、サップなどの接触感が良い裏地が最近はよく出ています。
ポリエステル裏地のデメリットとして最も挙げられるのは、独特なシャリ感ではないかと思います。また吸放湿の機能についても天然繊維やキュプラと比較すると差が出やすいのかなと感じます。
他にも大きなデメリットは静電気です。制電性のある裏地も増えてきましたが、静電気はデメリットの一つといえます。もちろんこれは表地の素材やデザインにもよるところが大きいです。
そして、製品上代が高いのにも関わらず比較的安価な裏地の場合だと、ハリ・コシがやはり印象として安っぽい印象を与えます。
価格別でリーズナブルなものを1位として、ランキング分けして紹介します。しかしながら、レディースとメンズでは厚みや風合いがことなるので、性別で区分けした上で、紹介します。一般的にはタフタが最も安く、その次がツイル・サテンと続きます。これに機能などを後加工で付加したものや、特殊な機能を持った糸を使用している裏地がどんどん高いものになっていきます。またレディース展開のものは比較的色展開が多いものとなっています。
1位 S5075 タフタ裏地
大量に使う裏地を使う方にはこちらがおすすめです。ジャストメーターでのカットには対応していませんが、反での発注時のコストパフォーマンスに優れています。

2位 5421 ウーリーツイル
糸が羊毛のように見える加工を施したウーリーツイル裏地で、ジャケットなどの重衣料に対してはクオリティとコストの関係が素晴らしい商品です。

3位 1101 サテン
最近はサテン系は衣装関連の方からの問合せを多く頂いていますが、ドレス関連などでも使われます。ここからは1段ぐらい単価が上がってきます。
![1101 ファンタジスタソフトサテン[裏地] タカトー](https://www.apparelx.jp/img/item/OKURA/1001196.jpg)
4位 S730 ニット裏地
コレクションブランドでも使用されるカジュアルの定番で、ニット組織のため、ストレッチする表地とも相性が良く、袋地に使われることもあります。

フルダル糸というのは光の反射が屈折するように作られたもので、透け防止の高価をもっています。また撥水の機能もついています。

こちらもメンズと同じくタフタ裏地が最も安価なものとなります。価格を抑えたい方は是非チェックしてください。

弊社でも在庫を積んでいるほーんのちょっとのストレッチ性が最近の表地の動きに追従してくれる裏地です。1000番台の色番はフルダル糸を使っており、透け防止効果があります。

コットンライクというか、サラサラとした肌触りが特徴的な裏地です。通称サップと呼ばれています。サップも色々な品番で出ていますが、基本的な機能は同じです。現在日本の夏は長く暑いため、通年使用されるようになってきました。

ベンベルグの工場火災の影響でキュプラを供給できない時に、キュプラに似ている風合いとして、多くのブランドに採用されたポリエステル裏地です。絹のようなまろみや、ドレープ感を持ちながら、合繊ならではのシワになりにくさをもった裏地です。

東レのフィールドセンサーは繊維の構造を変え、吸水速乾性を高めたもので、袋地やパンツの裏地などに使われることが多い裏地です。肌に触れて初めて効果が出るので、ジャケットなどには向きません。

裏地選びにおいては、価格が上代に影響するため、もちろん重要ですが、厚さや用途に応じた選び分けが重要です。例えば、ジャケット用途では滑りの良さと適度なハリが求められるため、ツイルやサテン系の中肉素材が適しています。特に総裏仕様の場合は、着脱のしやすさや袖通りの良さが重要なポイントになるため胴裏と、袖裏を分けて選ぶことがあります。
パンツ用途では、摩擦が多いため耐久性が高い裏地を選ぶことが大事です。主に試験データでは耐摩擦のデータが重要です。そのため、比較的しっかりとしたタフタやツイルが使われることが多いです。
メンズとレディースでも重みは異なり、表地との重さのバランスやストレッチの有無なども重要です。
また、最近は夏の時期が長いため、機能性も重要です。
ポリエステル裏地は、価格・供給・取り扱いのしやすさにおいて非常に優れています。
ただ一方で、吸湿性や風合いといった点では他素材に劣る部分もあるため、用途や製品コンセプトに応じた適切な選定が重要です。
実はほぼ毎日、どういった裏地を合わせれば良いのかというお問い合わせをいただきます。上記の選び方にもあるように、生地だけではなく、アイテム全体のバランスや、欲しい機能を明確にすると選定もシンプルです。
上記の価格別おすすめ裏地だけではなく、200種類以上のポリエステル裏地があるので、まずは何が展開されているのかをふんわり理解した上で、自社ブランドには何が合うのか、素材選定の一助となれば幸いです。
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ApparelX News編集長。
レディース・カジュアルブランドのデリバリ業務を経て、現在は、アパレル資材BtoBサイトApparelXの運営をしています。自分自身が分かりにくかったことや、役に立てる情報を発信していきます。