こんにちは。ApparelX事業部の橋口です。
デニムは履けば履くほど色が落ち、味が出てきます。
今回は、なぜ色が落ちていくのか、デニムの染色について書きます。
デニムは、インディゴ染料を用いて染めた経糸と白色の緯糸で斜文織りされてできます。
経糸の染色方法は2種類あり、染色方法の違いによって全く違う風合いになります。
一般的なデニムははぼロープ染色という方法で染められています。
ムラなく染めやすいよう作られた合成染料を使って機械で染め上げる方法です。
何本もの綿糸を並行に束ねロープ状にしたものをインディゴ染料液に浸しては引き上げて空気に触れさせ酸化させるという工程を6~12回繰り返すことで徐々に繊維に色が入っていきます。
空気に触れさせる時間の長さによって色の出方が変わり、デニムの色を決めます。
インディゴは色が入りにくいという特徴があります。
綿糸は浸透圧で周りから徐々に染まっていくため、糸の芯に近づくほど青色は薄くなり、芯は染まりきらず白色のままです。
その綿糸を使って織られたデニムは穿き込んで表面がこすれると芯の白色が出て、アタリやヒゲとなります。
もう一つの染色方法は 枷染め(かせぞめ)です。
すべて手作業で丁寧に染め上げる伝統的な染色方法です。
枷壺の中に入った天然の染料に綿糸を浸しては取り出して絞り、空気にさらして酸化させるという工程を何度も何度も繰り返す、手間と時間のかかる染色方法です。
枷染めした綿糸は芯までしっかり色が入り、深みのある風合いになります。
その綿糸で織ったデニムは色落ちしにくく、着込めば着込むほど深みが出ます。
ロープ染色のデニムとは異なり、アタリやヒゲはあまり出ず、全体が少しずつ色落ちして味が出てきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
糸の染まりにくさ、染料の染めにくさがデニムの色落ちに関わっています。
そして、染色方法によって色落ちの仕方が変わってきます。
履き潰して色落ちやヴィンテージ感を楽しみたいときにはロープ染色のデニムを、大切に履いて深みのある経年劣化を味わいたいときには枷染めのデニムを選ぶと良いです。
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