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アタリ、テカリを防ぐ!アイロンがけについて【アイロン仕上げ処理記号】

こんにちは。ApparelX事業部の橋口です。

今回はアイロンがけについてまとめました。

シワのついた衣服の数だけ機会があるアイロンがけ。
アイロンがけが面倒だと思う方も多いと思います。

布地の特性を知り効率よくアイロンをかければアイロンがけにかかる時間を短縮できます。


アイロンがけのメカニズム

繊維について

布地を構成する繊維はたくさんの分子から成り立っており、各分子は分子間力で繋がっています。

はじめ、シワがない衣類では分子は規則正しく並び、分子間力で結ばれています。

シワができる原理

分子間力は弱い力なので外部からそれ以上の力がかかると、分子同士の結びつきが解かれ、分子の並びが乱れてシワができます。

例えば、洗濯をしたときにできるシワです。

洗濯によって繊維が水分を含んで膨らみます。分子間力もそれによってゆるくなり、洗濯中の強い力に負けて分子の並びがバラバラになってしまいます。

分子の並びがバラバラなまま乾燥すると分子はその並びのまま分子間力で繋がれ、シワになってしまいます。

アイロンでシワが伸びる仕組み

アイロンでシワを伸ばす時、重要になる要素は、水分、熱、圧力です。

まずアイロンでスチームを当て、繊維に水分を含ませます。
先のシワができる原理でも書きましたが、水分を含んだ繊維は膨らみ、やわらかくなります。
これでシワを作っていた分子間力が緩み、シワを伸ばしやすくなります。

次にアイロンの熱を当てることで分子の動きを活性化させます。
分子が動きやすい状態になっているので、乱れていた分子の並びを正しやすく、シワが伸びやすくなっています。

そしてアイロンの自重による圧力で分子の並びを正します。
圧力をかけることで分子が均一に並び直り、シワが伸びます。

最後に熱を冷ますことで分子の動きが治まり、分子同士は分子間力で繋がれ、元のシワのない状態で留まってくれます。

これがアイロンがけの仕組みです。水分に弱い素材の布地にはスチームを当てずアイロンの熱と重みでシワを伸ばさなければいけませんが、頑固なシワを伸ばすときにスチームは最適です。

アイロンをかけるときの注意

アイロンでシワを伸ばそうとするときに注意することがいくつかあります。

アタリ

アタリとはアイロンの押し付けすぎが原因で厚みの差がある部分に跡が浮き出してしまうことです。縫い代が原因でアタリが出ることが多いです。

アイロンを押し付けない、裏からアイロンをかける、そのときに縫い代の下に厚紙を挟むなどのアタリを出さない方法があります。

テカリ

テカリとはアイロンの重みによって繊維の丸みが潰され、繊維に面ができることで光を反射してテカってしまうことです。

これもアイロンがけのときにアイロンを押し付けないようにする、あて布をすることで対策することが出来ます。

アイロン仕上げ処理記号

素材によって熱に弱い、強いがあるため、洗濯絵表示をみて素材に適した温度でアイロンをかける必要があります。

高温

底面温度 200°Cを限度としてアイロン仕上げ処理ができる。

180℃〜210℃でアイロンがけをします。

高温でのアイロンがけに向いている素材は
 綿、麻 です。

中温

底面温度 150°Cを限度としてアイロン仕上げ処理ができる。

140℃~160℃でアイロンがけをします。

中温でのアイロンがけに向いている素材は
 ウール、絹、レーヨン、ナイロン、キュプラ、ポリエステル です。

低温

底面温度110°Cを限度としてスチームなしでアイロン仕上げ処理ができる。

80℃〜120℃の温度でアイロンがけをします。

低音でのアイロンがけに向いている素材は
 アクリル、アセテート、ポリウレタン です。

アイロンがけは出来ない


アイロン仕上げ処理はできない。

アイロンがけができないものとして
 パイソン、毛皮、楊柳生地 などが挙げられます。
熱に弱く縮んでしまったり、変質してしまうため、アイロンがけには向きません。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

布地に適したアイロンの温度やかけ方は、衣服を傷めずきれいにシワを伸ばせるだけでなく効率的で時間の短縮にもなります。

ぜひ、分子を意識してアイロンを掛けてみてください。


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