ApparelXの藤原です。
先日弊社で開催されました国島株式会社様の勉強会に参加する機会がありましたので、
教えていただいたものをまとめてみました。
勉強会のテーマは 「国島さんの26AW生地について」
国島さんの特徴なども詳しく紹介できればと思います。
【概要】
嘉永3年(1850)創業の老舗織物メーカー
尾州産地内に自社の生産拠点を持ち、紳士・婦人服地(及び服)の企画・生産・販売、欧米各国への輸出を行っています。
【歴史】
これまでの歩み KUNISHIMAの前身である国島商店が創業したのは1850年です。
尾州の中心地(現在の一宮市)で,創業者・国島武右衛門は 「西洋の圧迫に直面していた日本の未来を経済力で切り拓こう」 という想いをもとに織屋業をはじめ、問屋業、金融業など多角営業を図りました。
1924年(大正13年)には製織部門を分社化し、「国の内外に発展する」という願いを込め、 中外毛織株式会社を設立しました。
問屋機能にメーカー機能も加わり、これが現在のKUNISHIMAの源流となっています。
さらに1965年には、イタリアの企業と技術提携・姉妹会社提携をスタートさせ、 海外進出をスタートしました。
2020年には、社名をKUNISHIMAに変更しました。
国島株式会社 ビジョンは 「生地で世界をやさしくしたい」 です。
今年の秋冬用生地は、ベストセレクションとハードレックスの2コレクションを展開
用途、プライス、生地の役割を分けての展開となっております。
各セレクションの中でも、今年新作のものやおすすめの生地をご紹介します。
合成繊維を主とした機能性重視の生地がメインとなっており、主に作業服での用途に向く生地を取り揃えております。
仕事着として日常的に使っていただけるようなお客様向けです。


中空構造のポリエステル36%とウール64%をミックスして、軽くすることで保温性のある生地を実現しております。
経糸、緯糸ともに混紡糸を使用することで、縦にも横にもポリエステルが入り、
ポリエステルの機能性とウールの風合いを兼ね備えています。
※中空糸・・・糸の中心が空洞になっている糸。空洞にすることで中に空気の層をつくり、保温性、吸湿性、速乾性をもつ。
ポリエステルの機能性を付加することで、軽量で冬は暖かく汗が出てもすぐに吸って乾く生地になる。外回りの営業マンにおすすめの生地です。




シャークスキンの生地。
伝統的な織物をベースに、現代の糸、風合いを糸使いで再構築した素材です。
異なる太さの糸を組み合わせることで、奥行きのある表情に仕上げた魔弾クラシックな風合いの素材。
ウールの配合率が多いので、機能的というよりポリエステルでウールの強度を補いつつ、ウールの風合いを守っています。
双糸を作るときにひと工程でできる糸。単糸と双糸の良さをあわせ持つ精紡高撚糸を使用しています。
糸の太さが異なる物を使うことで凸凹感をだし、シャークスキンの立体感を出しています。


ウール60%、ポリエステル40%の生地。
経糸100%ウール、緯糸100%ポリエステルの糸を使用することで、混紡糸を使った生地と大きく性質が異なります。
横にフィラメント100%にすることで、ツルッとしていて光沢感のあるポリエステルの性質がとても良く出ます。
ポリエステルの本来の目的であるシルクのような光沢感や滑らかさを感じられます。
去年はすべて完売し、今年も需要に期待しているとのことです。


縦密の組織を使ったウール100%。
秋冬にしては目付が少なく軽めの生地。制服にもよく使われる素材なので黒や紺などのスタンダードな生地を展開しています。
細めの糸を使用しており、密に織り込んでいるので、薄い生地は欲しいけどハリのある丈夫な生地をお求めの方におすすめです。
糸番が細くなればなるほど高価になるため、ベストセレクションの中では高価な生地であり、クオリティも高い生地です。


ウール100%の後染めであるオールジェンダーの後継規格。
オールジェンダーの特徴であるストレッチ機能が高価になってしまったため、ベストセレクションに展開するためにストレッチ性をなくし名前も変更しています。後染めであるため、様々なバリエーションのカラーを入れることができるという強みもある。後染めを活かすためにより華やかな色も今後企画予定です。

シルクやウールなどの天然素材を主とした個性を表現したいお客様向け。
ベストセレクションに比べ、ワンプライス上の高級感のある生地が多いです。


ハードレックスの中心的な規格。
ストレッチ性をもつウール100%の光沢感のある生地だが、最近スラックスなどの少しカジュアルめなビジネススーツの用途にも人気があります。
少しずつビジネスユース以外の生地にも需要が出始めており、規格も多数展開しています。



去年ハードレックスで一番売れた規格です。
ウール84%、シルク16%の生地。
特徴的な綾目おりと経糸と緯糸の色の差を出すシャンブレーが美しく、角度により色の見え方が変わる楽しい生地です。
既に多数の注文があり、早期の品切れが予想されております。



国島さんのフランネルの生地がとても好評であったことから、柄物の規格を展開。
従来のフランネルと全く同じ規格ではなく、多少細めの糸に変わっている軽量フランネルに仕上がっています。
艶を活かしたビジネスウェアとしておすすめです。



イギリスの家紋の象徴であるチェック柄の資料から厳選し、選ばれた柄を参考にした生地。
ブラックウォッチは需要が高く、2023年のハードレックス以来の3年ぶりの復活しました。
全体としてかなり肉厚な規格です。
無地のカラーに加わり、後染めの特徴を活かした流行色のベージュやブラウン、グリーンも展開しております。
一反一反染め直しの工程が発生するため、色ブレが出やすくロット管理が必要です。



今までの無地色に加わり、光沢感の出る朱子織りで仕上げた新作も登場しております。


最近のスーツのトレンドは、艶っぽい生地よりカジュアルめのものが注目されております。
ただ、国島さんの顧客層などにフォーマルなスーツ地を求める声が多く、業界の中ではまだまだ需要がありそうです。
また、ビジネスの場でも、自分の個性・好きが出せるスーツを着たいと思う人が増え、
そういった新しい客層を取り込むためにも、ジャケスラ用生地など「カジュアル」めな規格も進んでいるとのことです。
既存のお客様を大事にしつつ、新規のお客様を取り込む、万人のお客様に向けて幅広く提供することを目標にしております。
現在在宅ワークの普及、オフィスのカジュアル化に伴い、着やすさ・機能性重視の衣服が求められています。
国島さんの生地の加工について、先染めと後染めの違いを教えていただきました。
【先染め】
先染めのほうがビンテージ感あって高価なものであり、生産管理がしやすいのも大きなメリットです。
ただし、100%同じ色の反物を作ること、バリエーション豊富で作ることが難しいです。
商品企画としてお金がかかりますが、糸1本1本に色を変えたりすればトップ糸に近い染め方も可能です。
先染めでは、生地の奥行きを表現しやすく立体感が出ることが特徴です。
【後染め】
色の染め方は1反1反作るのは簡単ですが、納期の見通しが立たないことが多いです。
先々に尽きるものは管理ができるが、すぐでのご用意が難しいことがデメリットです。
また、均一に同じ色を入れるので色に奥行きがあまりなく深い色の表現ができませんが、色のバリエーションは豊富に出すことができます。
毛が出せる、染料を入れる際に熱が出るので糸が落ちますので、毛羽立ちが出やすいのも特徴です。
今回国島さんの勉強会に参加して、あまり普段見ることのない高級な生地やフォーマル向けの生地に触れることができ、新しいことも沢山学ぶことができました。
今回の勉強会を通して学んだことを、今後の業務、お客様への提案として活かせるようにしていきたいと思います。
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