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旭化成のベンベルグミュージアムに行ってきた~キュプラの歴史から価値について~

ApparelX News編集部のヤマヨシです。

先日、ご招待をいただき、旭化成さんの新しいベンベルグミュージアムに行ってまいりました。
その様子についてレポートしていきたいと思います。

 

そもそもベンベルグとは

 

そもそもベンベルグとは何なのか、というと、「コットンから生まれた再生セルロース繊維”キュプラ”のブランド名」です。
ですので、キュプラ100%=ベンベルグ100%という事になります。
そして、現在は世界で旭化成のみが製造している素材になります。

 

キュプラというと、化学繊維と思われる方もいるらしいですが、キュプラは再生繊維です。
今まで技術がなく、使われていなかったコットンの種の周りの産毛を独自の技術で、精製・溶解してピュアな糸を作り出します。
原材料がコットンの一種のため、化学繊維とは比べ物にならない、環境に対して優しい素材です。
土に埋めると2ヶ月ほどで、バラバラに分解されます。

現在では裏地だけではなく、表地としても使われ、インドの民族衣装でベンベルグがかなりのシェアを持っているそうです。

 

ベンベルグミュージアムに行ってみた

 

 

ベンベルグミュージアムは2014年に東京の神田にありましたが、旭化成の事業所の移転に伴い、現在は、

東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 日比谷三井タワー 29階

にあり、日比谷、銀座、有楽町駅から徒歩圏内という立地も良い場所で、また、29階に位置し、エントランスでの眺望は皇居なども見ることができ、とても素晴らしいです。
ベンベルグの特徴は後述しますが、ミュージアムではその特徴を体験することができます。

 

優れた吸放湿性

 


(左にベンベルグの裏地、右にポリエステルの裏地)

ベンベルグはポリエステルに比べ、吸放湿性が良いと言われています。
人間の体からは、一日に600ccの気体の汗が放出されており、それがベタつきやムレの原因とされています。
ミュージアムでは、ポリエステルの裏地とベンベルグの裏地を密閉した空間に入れて、水蒸気を発生させます。
その後、蓋を開けて、実際の裏地にさわることができます。
触ってみると、ポリエステルの裏地は、生地のなかに水分が入っていかず、手で触ると濡れる印象があります。
ベンベルグの場合は、生地が水蒸気を吸ったような感じで、ポリエステルと比べると、差は歴然でした。

 

着心地が違う「制電性」「すべり性」

 

実際にミュージアムでは、ポリエステル裏地がついたジャケットと、ベンベルグ裏地がついたジャケットが置いてあり、試着することも可能です。
同じ作りで裏地が違うジャケットに腕を通すという経験はなかなかないが、やはりベンベルグ裏地がついているジャケットの方がするっと腕が通ります。

また体験は出来るかは人によるかもしれませんが、ベンベルグは静電気の発生を抑えやすい素材になるので、肌にまとわりつくことも抑えてくれます。

私のような体の大きい人は腕を通すのでいっぱいいっぱいで、片腕を通すので限界でした・・・

 

ベンベルグを使ったサンプル帳が全ておいてある

 

ベンベルグミュージアムには、ベンベルグを使用した裏地の全サンプル帳があります。商社と共同開発したサンプル帳もありますので、なかなかレアですね。
株式会社オークラ商事と旭化成で共同開発をしたジャカード裏地AKXシリーズもありますので、是非ご覧ください。


写真はAKX100シリーズ

 

その他にも

 

ベンベルグの歴史や、工場でどのように糸になり、生地になり、染色されていくかなどが、パネル・動画・写真・実物の機械により説明をしてくれます。
所要時間としては1時間ぐらい話を聞くことができれば、ベンベルグ博士にもなれるかもしれません。

 

まとめ

裏地の色に好みはあれど、その素材まで見る人はあまり多くありません。しかし、高級な裏地には高級な理由がしっかりと存在します。
こだわりの洋服はしっかりと着る方に、より価値を感じてもらえるよう、キュプラの価値を伝えていきたいですね。

 

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