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第7回全国アパレルものづくりサミットレポート 日本のものづくりの現場とは

こんにちは。ApparelX事業部のカヤバです。

12月14日(土)に文化学園で開催されました、ものづくりサミットに参加してきました。

その模様をお伝えいたします。

概要

「日本ものづくり提言プロジェクト」実行委員会が主催しており、各企業の工夫や試行錯誤の活動報告が行われ、その結果生み出された唯一無二のプロダクトを拝見する事ができます。アパレルの海外生産率は実に97%におよび、国内の工場は非常に苦しい状況ですが、その中でもどうにかして価値ある物を生み出そうとする企業の活動を知ることができるので、とても刺激を受ける場となっております。

活動報告をされた企業の製品が見られるブース

今回は、「若い世代に伝えたい!ものづくりの仕事ってステキだ!」というキャッチコピーで行われており、生まれ育った地元を離れ、地方で活躍されている20,30代の登壇者もいらっしゃいました。

合計6パートあり、各パートを異なる企業が担当されるのですが、今回は、佐藤繊維さんの報告をお伝えしたいと思います。

佐藤繊維さん ー若い世代の活躍ー

右から、社長の佐藤さん、ニット部の斎藤さん、営業部の五十嵐さん

佐藤繊維さんは山形県寒河江市に拠点を置く、紡績・ニットメーカーです。自社ブランドの製造・販売、OEM生産を行っていますが、以下佐藤繊維のウェブサイトより抜粋させていただきます。

佐藤繊維は、1932年(昭和7年)、山形県寒河江市にて紡績業を生業とし創業した紡績・ニットメーカーです。
糸づくりから製品の仕上げに至るすべての工程において「日本のものづくり」を大切にし、
独自の目線と自由な発想で、オリジナリティ豊かな製品を世界に向けて発信しています。

https://satoseni.com/company

自社敷地内に、工場として使用していた石蔵を改装して運営しているセレクトショップも有り、色々な事に果敢にチャレンジされています。

地方での生活には仕事以外が大事!

社長の佐藤正樹さんと、若手社員2名の方が、登壇して下さいました。

ニット部の斎藤さんは、ユーモアを交えつつ、会社に入ったきっかけや、仕事のやりがい、地方で働く事に関して話してくださいました。

斎藤さんの話で印象的だったのが、「仕事以外で自分の生きる意味をその地域で見いだせるかどうかが重要。」という事です。

同じ様に地方で働かれていた方でも、仕事にやりがいを感じていたとしても、もっと良い条件の仕事や職種があれば、そちらへ行かれてしまう方もやはりいらっしゃる様で、地方で働く事の難しさを感じました。

職場だけでなく、地域のコミュニティーに参加してその地域との個人的なつながりを持つ事が重要な事だというのは、実際に働かれている方の話として、とても説得力がありました。ちなみに斎藤さんは詩吟や長唄を嗜まれているそうで、本職とは別に地域でニット教室をされているようです。

生産背景を含めたストーリーで付加価値をつける

五十嵐さんは、海外事業を担当されていました。佐藤繊維さんの場合、オリジナルブランドで培った技術が、自社の強みにもなっている様です。

初めて海外のニット展示会、pitti filatiniに参加された時のエピソードや、海外事業における苦労話等を話して下さいました。

なかなか思うようには行かないようですが、商品だけではなく産地などの生産背景を絡める事で、付加価値を高める事ができるという事がわかったそうです。

なるほど!と思ったのですが、欧州の方は、休暇を大事にされる様で、産地の山形のご飯の話や名物の話をすると、反応が良いらしく「ぜひ今度行ってみたい」という取引先もいらっしゃるそうです。

最初は社交辞令だったかも知れませんが、営業活動が実を結び、今では、実際に山形を訪れる海外の取引先もいるそうで、自社の製品だけではなく山形という地域をより好きになって帰っていかれるという好循環が生まれている様です。

確かに自分の思い入れのある場所で生産されている物であれば、よりそれを使用したくなりますよね。

地域性と商品の魅力が、うまく結びついているなと感心致しました。

まとめ

今回のものづくりサミットは、若い方(学生さん)に地域で活躍してほしいという思いを強く感じるものでした。

登壇者の中には、佐藤繊維の斎藤さん五十嵐さんをはじめ、自分と同世代の方もおり、自分も頑張らなきゃなと改めて思う良いきっかけになりました。