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生地を染色するときの流れについて

ApparelX News編集長のヤマヨシです。

選んだ生地でも他のブランドと差別化のためにオリジナルカラーで作りたいとか、ブランドカラーで染色したいなどの要望を日々聞いています。今回は好きな生地で、オリジナルのカラーに染色したい時の流れについて解説します。

染色するには染色用の生地がある

実は生地というのはなんでも染められると思われているかもしれませんが、染色用の生地というものがあります。

それは「P下(ピーシタ)」と呼ばれる生地です。P下は他にも「BP ( Before Print )」や「PFD ( Prepared For Dyeing )」など様々な言い方があります。共通で通じるのはP下かなと思います。

ただ、このP下すべての品番に存在するわけではありません。そのため、作るアイテムが決まっていてどのような生地(組織・厚さなど)が決まっているのであれば、その風合いでP下を探すほうが早いです。

各生地メーカーで製品染め可能な生地というのは持っているので、その中から探すということが、後々を考えるとスムーズに進む方法です。

P下って何?

P下は、プリントや染色を施す用に準備された生地で、白っぽく見えますが、白く染めているわけではありません。色止めのFIX剤や柔軟剤などの仕上げ剤がついていない生地ということになります。

上記の薬剤などがついていると上手く染料がはいっていかずに上手く染まらなかったりすることあるので、P下を準備することが重要です。

しかし、P下ではなくても白系の色であれば色が入っていくということもあるので、サンプルをやってみる価値はあるかもしれません。まずは手配してもらっている会社にP下があるかを確認してみてください。

下の画像はオーガニックコットンのタイプライターのサンプル帳写真ですが、下記のようにP下は1枚のシートになっているので、是非取り寄せてみてください。

22408 オーガニック 60s タイプライター[生地] SUNWELL(サンウェル)
22408 タイプライター PFD


今まで失敗した生地

P下が用意できずにうまく色が入らなかった生地は、リサイクルポリエステルで、撥水コーティングされている生地でした。染工所が言うには、撥水加工がされていても1/2の確率ぐらいでは色が入るらしいのですが、私が入れたのは汚れが酷く使い物にはなりませんでした。

弱撥水であれば、染色時に後加工することも可能なので、撥水が欲しい方はこういった部分も考えていただければと思っています。


用意するもの

  • P下の生地 サンプル分 1m程度
  • 色見本

必要なものはこれだけです。生地などは支給するよりも手配してもらう方が良いでしょう。物性データや、生地幅など様々な情報が必要になるので、手元にあるよくわからない生地を染色に出すのは、あとでトラブルになることも多いでしょう。


実際の流れ

1.生地サンプルと色見本でマス見本を取得する。約2週間かかります。

2.見本が良ければ、量産分を手配して、染工所へ投入します。数量によって異なりますが、5反以下ならば2〜3週間程度です。

3.多少の色ブレは直しの範囲にはなりませんが、かなりぶれている場合は、色直しができます。有償の場合と無償の場合があります。それはどの程度色見本と違うかによります。天然繊維の場合、生機ロットが違う場合などブレが起きやすくなることは多いので、綿などはブレがあるというのは知っておいた方がいいですね。


まとめ

こだわりのものづくりを共にさせていただくのはとても光栄な事です。初めてのことであれば、後を見据えたフォローをさせていただきます。是非ご相談ください。


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