こんにちは。ApparelX事業部のカヤバです。
本日は、紳士服で使われる事の多いホーンボタン(水牛)とナットボタンに関して、説明致します。
デザインのバリエーションがレディースに比べて少ない紳士服ですが、だからこそ、副資材の選択でパッと見の印象がガラリと変わります。
たかがボタン、されどボタンですね。
日本のドレスウェアに使用されているボタンの中で、高級ボタンとして最も使われているのがホーンボタンではないでしょうか。
その名の通り、水牛の角から削り出しているボタンです。基本的なカラーはもともとの角の種類の違いによって生じます。
水牛自体もアフリカに生息するアフリカスイギュウとアジアに生息するアジアスイギュウに大別できます。※この種類の違いはボタンには特に明記されていません。
この様に見比べると角の生え方や、体つき等の違いがわかります。また仕上げ加工の違いなどもあるので、意外と豊富なカラーバリエーションがあります。
そして、ホーン釦の魅力の一つは、そのべっ甲のような天然素材ならではの模様の美しさだと思います。
品番によって、そのヌラっとした美しさを生かしたツヤのあるもの、より生地に馴染みやすいマット調の物とあります。
こちらは、縁と中心部に別々の水牛角を使用したイタリア製ボタン。悪目立ちせず差別化できる高級ボタンです。
この水牛ボタンですが、1つ注意点があります。
それはカラーによって価格が異なる場合がある事です。
角の色・模様というのは一定ではありません。取れた角から生産できるボタンの量も色・模様によってばらつきがあるので、素材そのものの原価が異なります。一般的に黒よりも琥珀色やべっ甲色のような美しいカラーの方が原価が高い傾向があります。
本水牛ボタンは、同じ品番でもそのサイズ・カラーによって値段が変わるので、ご注意下さい。
紳士服で本水牛角と双璧をなす高級ボタンといえば、このナットボタンだと思います。個人的な感覚として、イタリアのサルトでよく使われている様に感じます。
エクアドル原産のタグワ椰子という椰子の実から削り出して作っています。
このタグワ椰子ですが、エクアドルにしか生えていないそうです。それでもこのタグワ椰子がボタンに使われるというのは、その加工性と耐久性がボタンに適しているという事だと思います。
木工細工でも使用されるようで、Amazon.comではこの椰子の実が販売されていました。アマゾンすごい。。。
ナットボタンにも、ホーンボタンと同じ様に天然素材ならではの味わいがあります。これは、染色の際にその繊維の密度の違いから染色の度合いにムラが出る事により生じます。
ナットボタンは、本水牛ボタンほど天然の模様が強くなく、染色前段階では乳白色です。そこから染色していくので、染色性が同じ天然繊維のホーンボタンよりも高く、よりスーツなどの服地にマッチする色をお選びいただけます。
また、その染色方法やその度合いによってその風合いは異なります。
上記のイタリア製のボタンは、漆のような高級感のある光沢が特徴的です。その中でも木目調の雰囲気が強く出ている薄いカラーのものは、温かみとナチュラルな雰囲気があり、濃色でつやのあるカラー等は、艶やかな高級感があります。
こちらは国内メーカーのものです。
イタリア製のものより少しマットな表情で、より木の実本来のナチュラルな風合いが残っています。
上記の様に同じナットボタンでも見た目は結構違います。より高級感があるものか、よりナチュラルな温もりを感じられるものか、洋服のイメージによってお選び下さい。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
私も昔、ユニ○ロのアウターのボタンを、自分でナットボタンに付け替えた事がありますが、結構雰囲気が変わりました。
ベーシックなデザインの洋服ほど、副資材の違いでその洋服の印象はガラリと変わると思います。
ApparelXでは、コストパフォーマンスに優れた商品から、高級な商品まで各種副資材を取り揃えております。ぜひ、ご覧下さいませ。
セレクトショップでの販売やオーダースーツの採寸や縫製に携わってきました。
2020年に女の子が生まれました。日々の成長を楽しみに仕事しています。