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サスティナブルなファスナー NATULON®(ナチュロン)

こんにちは。ApparelX事業部のカヤバです。

本日は、YKKの環境配慮型ファスナーNATULON®(ナチュロン)をご紹介いたします。

少しわかりにくい商品展開や、発注時の注意点等もまとめましたので、是非ご覧ください。

NATULON®(ナチュロン)の特徴

そもそもポリエステル(プラスチック)という物には、リサイクル方法がいくつかあります。

マテリアルリサイクル

小難しい内容なので引用させていただきます。

原料まで戻すケミカルリサイクルとは違い、材料のままで利用するリサイクルの方法です。古着などを裁断して布状にばらし、雑巾や工場の油拭き用の布として利用する方法(ウエス)や古着を細かく裁断した後、無数の針で引っ掻いて、布から繊維をわた状にほぐす方法(反毛)、合成繊維100%の場合は加熱・溶解後にプラスチックなどの成形品原料として利用する方法(再溶解)もあります。合成繊維の場合は、反毛によってフェルト状にし、自動車の防音材などに使用されます。ポリエステル製の衣料の場合はボタンやファスナーなどプラスチックの成型品用途に使用されることもありますが、この樹脂として使用する場合は用途が限られているので、新しい用途の開発が求められています。

https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/katsuyaku/22.html 日本化学繊維協会ホームページより

ケミカルリサイクル

回収した合成繊維製品を工場に送り、洗ったり、細かく粉砕したりした後で化学的に分解し、元の原料であるDMT(ジメチルテレフタレート)に戻して繊維の原料として使用する方法です。ユニフォームを中心に、ナイロン製やポリエステル製の製品を回収後にケミカルリサイクルする企画で複数の企業ですでに行われています。ポリエステルの場合はDMT(ジメチルテレフタレート)、ナイロンの場合にはカプロラクタムに戻して繊維の原料として使われます。ケミカルリサイクルの場合は、同一素材の衣料品のみを大量に集めて処理する必要があるため効率的な回収システムを作ることが必要です。

https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/katsuyaku/22.html 日本化学繊維協会ホームページより

簡単に言うと、素材そのままをなんとか再利用可能な用途で使用するのが、マテリアルリサイクル。化学処理を施して繊維の原料の状態にまでするのが、ケミカルリサイクルといった感じでしょうか。

NATULON®(ナチュロン)は、マテリアルリサイクルの物とケミカルリサイクルの物があります。今回ご紹介するのはケミカルリサイクルの物です。

ただの再利用じゃない!?

このNATULON®(ナチュロン)には、テープ部分またはエレメント部分に、ポリエステル廃材を化学分解し、不純物除去して生成される「再生ポリエステル」が使用されています。

リサイクルコストや再生工程でのCO2排出量まではわからず恐縮ですが、ケミカルリサイクルのファスナーは、使用後にまた化学処理を行い、繊維の原料にまで戻す事で、またリサイクルのファスナーとして、製造する事が出来るようです。

まさに環境循環型のファスナーです。

商品展開表

ファスナーは品番がたくさんあり、分かりづらいですよね。

今回は、NATULON®の商品展開を表にまとめてみました。

アイテム 材料 仕様
サイズ チェーンタイプ テープ エレメント テープ 逆開 チェーン
コイルファスナー 3 CFH PR12 再生PET 再生PET
CHH(CCH) PR10
45 CFH PR14
5 CIHE PR16
ビスロン®ファスナー 3 VS PR12 POM 再生PET
4 VS PR13 POM
VSPBE 再生PBT
VPEMV/VPEMB
5 VS PR14 POM
VSPBE 再生PBT
VPEMV/VPEMB
メタルファスナー 3 MG/MGKB/MGTH PR12 丹銅 再生PET
5 RG/RGKB/RGTH/RG(M)K PR14

※エレメントには、POM、PBT、PETという材質が記載されていますが、全てプラスチックの一種です。

コイルファスナータイプ
ビスロン®ファスナータイプ
ビスロン®ファスナー メタルタイプ
メタルファスナータイプ

発注時の注意点

テープカラー

カラー展開自体は、YKKのグローバルカラーカードに対応していますが、リサイクル素材はその特性上、通常品と色合いが異なる場合があり、特に淡色は注意が必要なようなので、サンプルにて事前確認をお願いいたします。

チェーンタイプ

VSPBEはエレメントのカラー制限があります。

VPEMはエレメントのカラーが Vカラー(シルバー)かBカラー(アンティークゴールド)になります。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

この機会に、生地だけではなく副資材のサスティナブル商材もお試し下さいませ。