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アパレルメーカーが作るマスクの生地・副資材の選び方

ApparelX編集部のヤマヨシです。

今回は新型コロナウイルスの影響で高まっているマスク需要、また医療従事者向け製品の生地や副資材選びについて書いています。ニューヨークでは、市長からアパレルに対し、マスクと医療用ガウンの制作が要請されました。今後日本も、世界的に高まるニーズに縫製工場やアパレルブランドも対応を迫られるかもしれません。

個人利用の、作り方については多くの方が情報発信をしているので、そちらを見てもらえればと思います。

マスクの生地の選び方

マスクの生地は様々なものが使えます。天竺や手ぬぐいに使うような生地からガーゼまで使用することができます。

シンプルなものは一重や二重に重ねてる作るものもありますが、三層にして作るケースもあり、多種多様です。例えば、ダブルガーゼを内側と表側に、抗ウイルス生地を真ん中にはさんで、機能性を上げているマスクもあります。


ガーゼ

6250 ウルトラワッシャー 60 ダブルガーゼ[生地] VANCET/オークラ商事 - ApparelX アパレル資材卸通販
6250 ダブルガーゼ
6350 トリプルガーゼ
1612 シングルガーゼ

ガーゼは生地の段階で一重から三重まであります。マスクにはシングルガーゼ単体では薄く、マスクとして使用する場合は、二重~六重程度に重ねて使用することが多いです。

もちろん中に生地を挟んで補強する場合は、2重程度で良いと思います。


抗ウイルス生地クレンゼ

今回のマスクの需要に伴い、クレンゼという生地が注目されました。クレンゼについては過去生地を御覧ください。

ただクレンゼ生地については注文が入りすぎて、2020年3月末時点で、全品番のほとんどのカラーで5月末の納期で、加工上がり待ちの反物も毎日予約注文が入っており、入手はかなり困難な状況です。

一部赤や緑などのカラーについては、マスクとしては使いづらいという声もあるか思いますが、白い生地で挟むことによって、目立たなくなったりもします。またあえて、カラーモノを使い、デザインでブランドを表現しているものもあります。

岡山のデニムの産地では、官民連携でデニムでのマスク作りもしています。

総社市HP


Catlight®生地

10713 Catlight®30Sコーマバーバリー[生地] VANCET/オークラ商事 - ApparelX アパレル資材卸通販
10713 バーバリー

Catlight®とは光に反応して様々な機能を発揮します。太陽光はもちろん、蛍光の下でも光触媒を発揮し、汚れを分解・消臭・UVカット・抗菌機能を持っている生地です。
ナノレベルの微粒子を用いているので色相や風合いには影響ありません。

上のクレンゼは抗ウイルスに比べ、抗菌機能のみになりますので、コロナウイルスには効果がないと思いますが、洗って使うマスクだとしたら、良い機能だと思います。


ニット生地

384 エスゼノストリコット

ニットの生地は表側に使用することもありますが、こちらも通常のニットより機能性があるものが好まれています。エスゼノスは制菌効果がある生地です。制菌とは、衣料についた菌が増殖することを抑える働きがあることです。エスゼノス機能のある生地は医療用途などで使用されています。


副資材の選び方

マスクの副資材は、鼻のところの形状保持テープ(ノーズワイヤー)と、耳にかけるゴムです。


形状保持テープ(ノーズワイヤー)

テクノロート
YS-H セットアップテープ(形状保持テープ・ハード・20M巻)[リボン・テープ・コード] モリト(MORITO)/オークラ商事 - ApparelX アパレル資材卸通販
YS-H セットアップテープ

マスク用として使われている形状保持テープとしてはテクノロートが多いようですが、品切れが続いているようで、衣装製作などで使われているセットアップテープも活用されています。

もちろん形状保持テープはなくてもマスクの機能は保てるので、デザインに応じて考えればよいかと思います。

ゴム

耳にひっかける部分なので、ある程度の柔らかさとキックバックのバランスが重要になってきます。

エラストレインⅠ ウーリースピンテープ ナイロン100%[伸止テープ] オークラ商事 - ApparelX アパレル資材卸通販
エラストレインⅠ
OGC コールゴム ※ライクラ使用 オークラ商事 - ApparelX アパレル資材卸通販
OGC コールゴム
SIC-FB011 ニットストレッチバインダーテープ[リボン・テープ・コード] SHINDO/オークラ商事 - ApparelX アパレル資材卸通販
SIC-FB011 ニットストレッチテープ

エラストレインは所謂ウーリースピンテープのことで、アサヒ熊などでも出されている商品です。こちらはニット用の伸び止めとして使用される資材ですが、その肌触りの良さと丁度よいストレッチでマスクのヒモの代用として使用されています。

※アサヒ熊は株式会社ゴーセンの工業糸ブランドです。

コールゴムはさらに、ウーリースピンテープがなくなり、4コールが代用として使われています。ただ硬さがあるので、長時間で使用されるマスクを作る場合は使用を控えたほうがよいかもしれません。

SHINDOの商品でもマスクのヒモとして使用できる商品があります。ただ所謂資材系と違って単価が他より高くなっています。色や風合いなどまでこだわる場合は検討に是非入れてください。


まとめ

日本国内だけでなく、普段マスクをしないヨーロッパでもマスクをつける人々が出てくるほど、世界的にマスクが不足しています。これから日本でも個人だけでなくアパレルがマスクを作っていくかもしれませんね。

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