ApparelX編集部の鈴木です。私たちの生活で一番身近な素材というとコットンが挙げられます。
今回は定番素材のコットンの中でも、希少価値の高いものについて解説していきます。
コットン(cotton)はアオイ目アオイ科ワタ属の植物から作られる天然繊維です。
世界中で栽培されていますが、中国、インド、アメリカが三大生産国です。丈夫さや肌触りの良さがあり、比較的安価なので、広く用いられています。
天然繊維なので、品種によって繊維の長さが異なり、一口に綿と言っても色々種類があるのです。
水分をしっかり吸収してくれます。ポリエステルなどに比べると乾きにくいとも言えます。
染料に使われるアルカリに強いので、染色に向いています。
先染め(糸の段階で染める)、後染め(生地の状態)、製品染め(製品になってから染める)ができる。
天然のよじれがあるので肌への接触面が少なく、心地よい
シワになりやすいという欠点がありますが、ポリエステルなどと混紡することでシワを防ぐことができます。
繊維の長さによって「短繊維綿」、「中繊維綿」、「長繊維綿」に分類されます。
短繊維綿 21mm以下
中繊維綿 21-28mm
長繊維綿 28mm以上
超長綿 35mm以上
一般的によく使う綿の繊維の長さは28mm程度ですが、超長繊維綿ともなると、繊維の長さは35mm以上あり、絹のような光沢をもっています。
収穫できる地域が限られているので希少価値が高く、高級綿と呼ばれます。
繊維が短いほど低ランクで、肌触りの良さも落ちます。
ピマコットンはエジプト綿とアメリカ綿との異種交配によって作られました。栽培していたアメリカ先住民のピマ族に敬意を表して名付けられました。
ピマコットンを生産する農家がスーピマ教会を設立し、教会に属する農家が生産するピマコットンをスーピマコットンと名付けたそうです。
スーピマとは「Superior Pima(高級ピマ綿)」を略したもので、スーピマコットン協会の登録商標なのです。
繊維長が長いので、毛羽立ちが少なく、滑らかな肌触りで、超長綿の中でも繊維が太く強度があるので、洗濯しても風合いが変わりづらく、Tシャツや下着、パジャマに向いています。
ピマコットンはアメリカ西南部以外でも生産されますが、スーピマコットンはカリフォルニア州、アリゾナ州、テキサス州、ニューメキシコ州に産地が限定され、品質が保たれています。
エジプトのギザ地区で栽培されたことから名付けられた、エジプト綿の一種です。
超長綿の中でも繊維が長く、細いので丈夫なうえに肌触りの良い生地です。
植物性の油脂が豊富に含まれていて、その滑らかな風合いはシルクにも例えられるほどです。
種が開発された順番でGIGA1、GIGA2と名前が付けられています。
現在生産されているのはGIZA45、GIZA87、GIZA93などで、特にGIZA45は有名で、農薬などを使わず育てられるオーガニックコットンなので、最高品質とされています。
中国のウイグル自治区で生産されるコットンです。山脈の雪解け水を利用して栽培されます。
ギザ綿と同じく油脂が含まれているのでシルクのような美しい光沢があります。
比較的入手しやすいですが、最近、ウイグル族の強制労働疑惑があり、
新疆綿を使用しない方針を表明したアパレルもあり、混乱が起きています。
三年間化学肥料などを使用していない農地で生産される有機栽培のコットンの事です。
化学肥料を使わないだけではオーガニックコットンとは呼べず、3年の実績が必要です。認証機関がチェックし、そこで認められたものだけがオーガニックコットンと表示できるのです。
農薬や化学肥料を使わないので殺虫剤の代わりに、てんとう虫などの益虫を使って害虫対策をします。収穫に際にも枯葉剤を使用しないので、手摘みで収穫されます。
栽培や加工に手間がかかるので、普通のコットンより価格が高めです。
普通に栽培されたコットンでも、収穫された後の残留農薬はとても少ないので、お肌への優しさは同じです。
ですが農薬を使わないで栽培すると温室効果ガスの排出や水の使用量が少なく、生産者への健康被害もありません。
環境や生産者への負荷を減らそうというのがオーガニックコットン意義なのです。
そう考えるとより多くのオーガニックコットンが選ばれるようになるといいですね。
日常的に馴染みがあるコットンですが、特別感のあるコットンもたくさんあります。
素材にこだわるブランドさんも増えているように感じます。
インナーなど直接肌に触れるものに使われる場面が多いので、最高の着心地を実現するため、高級綿を使ってみてはいかがでしょうか。
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