こんにちは。ApparelX事業部のカヤバです。
先日、PTJ(プレミアムテキスタイルジャパン)に行ってきました。
出展者様の中に事業転換で生地のプリント加工を行っている会社があり、プリント加工に関して、基本的なことをお話しいただけたので、今回は、プリント加工に関して、まとめたいと思います。
紙へのプリントと理屈は同じだと考えると、わかりやすいかもしれません。
紙でもOA紙に印刷するのか、光沢紙に印刷するのか、ハガキに印刷するのかで、それぞれ仕上がりが異なりますよね。
また、オフセット印刷やグラビア印刷、活版印刷等、印刷の方法もその仕上がり、目的に合わせて多岐に渡ります。
生地のプリント加工も一緒で、生地の素材、織り(編み)、表面加工等によって、仕上がりが異なったり、プリント方法によって、得意なデザインや、仕上がりの風合い等が変わってきます。
つまり、それぞれの生地や用途に応じたプリント方法を選ぶことが大事になってきます。
孔版印刷の呼ばれる印刷方法の一種です。
メッシュ上の版に孔を作り、その孔の部分だけインクが落ちてプリントされるという方法です。
もともとこのメッシュ状の版にシルクが使われていたことからシルクスクリーンという名前がつけられました。
シルクスクリーンのプリント方法は、生地を版にセットしてインクを版の中に流し込み、スキージーなどでインクを均等にの伸ばして、インクを生地に定着させていきます。
シルクスクリーンは、かなりシンプルな印刷方法なので、ご家庭用のプリントセットも市販されています。
生地へのプリントの場合は、顔料インクを使用すれば、基本的にどんな生地でも印刷可能です。
シルクスクリーンには、型が必要です。メリットでも書いたように、一つの型で何枚も印刷できますが、逆にプリント枚数が少ない場合、型代がかかる分割高になる傾向があります。大体30枚くらいが、割高になるかどうかの目安と言われています。
そして、型に基づいて印刷するので、写真のような細かいデザインには、向きません。
また、型の枠の大きさにも限度があるので、生地全体にプリントする用途にも基本的には向きません。
転写プリントとは、専用の転写紙にデザインを印刷し、その転写紙を生地に重ねて熱をでプレスして圧着させる事で印刷する方法です。
転写プリントは、シールのような仕組みなので、デザインを転写紙に直接印刷できるため、版が不要です。そのため、小ロットの場合にも、比較的安価にプリントすることができます。
また、写真のような複雑なデザインでも、プリント可能です。
圧着なので、プリント部分は若干生地が固くごわつきやすくなっています。
熱転写は、元々四角い転写紙をデザインに合わせて切り抜きます。
プリント部分自体の形が複雑なデザインは、プリントと生地の境目にフチができてしまう事もあります。
また、シールを圧着させるので、表面に凹凸の多い生地などは、プリントが定着しづらく剥がれやすかったりするので、注意が必要です。
こちらも転写プリントの一種ですが、転写する方法が異なっています。
転写プリントが熱で圧着させていたのに対し、昇華転写は、転写に使用する特殊なシートに熱を加えることで、インクを一度気化させて、その気化したインクを生地に染み込ませる(プリントする)というものです。
転写プリントと同じ様に、型が必要なく、複雑なデザインが可能です。
また気化したインクを染み込ませるというプリント方法なので、生地の風合いを損ないにくいです。
いいことばかりの昇華転写プリントですが、ポリエステル100%の生地にしかプリントできないというのが最大のデメリットです。
また、濃色の生地ですと、染み込ませた生地が吸収されてしまい、ほとんどプリントが見えなくなる可能性があります。
基本的には。ポリエステル100%のP下で行うのがおすすめです。
家庭用のプリンタ等と同じ要領で顔料インクを直接生地に吹き付けてプリントする方法です。
型がいらないのでコストカットができ、納期も早いです。また、直接デザインをプリントするので、高精細な表現も可能です。
インクはCMYKの顔料インクなので、それ以外のインクを使用することができません。つまり、インクの作り込みはできないということです。
また、金色や銀色、蛍光色の表現はできません。
一番のデメリットは。プリントの仕上がりが元の生地色の影響を受けるということです。
今回は、簡単に生地のプリント加工についてその種類をまとめました。
ApparelXでは、生地の染色加工も承っております。プリント加工に関してもお問い合わせいただければ対応できる場合もあるので、ぜひ、お問い合わせくださいませ。
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