こんにちは。ApparelX事業部のカヤバです。
本日は、プルミエール・ヴィジョンで感じた流行をいくつかのキーワードにまとめてみたいと思います。
※かなり主観的なのですが、ご了承下さい。。。
昨今、ファッション産業に関する環境問題が取り上げられており、サスティナビリティーに関連した商材が、世界的に注目を集めています。
※日本では、欧米に比べて消費者のサスティナビリティーへの関心がそこまで高くないので、相対的にサスティナビリティー関連の商品等も少ない様に感じます。
レザーは、このサスティナビリティーの問題に加えて、動物愛護などの問題も関わっており、リアルレザーを使わないハイブランドも出てきているぐらいですから、レザーの展示エリアは比較的閑散としておりました。
今後の合成皮革の進化発展にも注目ですが、合成皮革に使う化学繊維が新しく作ったものであれば、サスティナビリティーには反します。リアルレザーをリサイクルしたリサイクルレザーというものがありましたが、説明を聞く限り、基布に再利用した再生レザーを使っていましたが、肝心な表面の部分は、アクリルか何かのコーティングでした。
現状、エイジングも含めたリアルレザーの魅力は、代替が難しいと感じています。
各社、逆境の中でも非常に薄いレザーや質感の柔らかなレザーなど色々な提案を行っていたので、頑張って欲しいなと思いました。
また、リアルレザーを一切受け付けないというのは、ベジタリアン等の信条やライフスタイルに近い物だという印象もあります。
大切な事は、どの様なルートを経由して使用しているレザー(あるいは原皮)なのか等、いかにストーリーと説明責任を果たして、付加価値をつけるかだと感じました。
もはやポリエステルに関しては、リサイクルを使用するのは当たり前、的なムードが会場にはありました。
また、サスティナビリティーや新技術に関するスマートクリエーションというエリアは、盛況だった印象があり、業界内の関心の高さを感じました。
日本では、豊島株式会社さんが、廃棄予定の食料品を原料に染色を行う「FOOD TEXTILE」が出店されていました。
21SSの表地の傾向は、20SSから継続して、透け感、ラメ、より軽く、より薄くと言った印象を受けました。
またカットソーに関しても、プレゼンテーションエリアには非常に柔らかく薄い風合いのスムース素材が多かった印象です。
メンズではPITTI UOMOも来場者数が停滞しているらしく、各メーカー、各展示会が新しい提案や打ち出しに苦労しているようですね。
ダルトーン、ソフトトーン、ライトグレイッシュトーン、この辺りが中心で、パキッとしたカラーはあまり見かけませんでした。
このあたりはサスティナビリティーの影響もあるのでしょうか。明るい春夏らしいカラーでも風景に溶け込む様なナチュラルなトーンが多かったです。
ファブリックでは、リネンライクの生地がとても多く見受けられました。
この辺も20SSからの継続ですね。
リネンは、春夏素材としては比較的高価なイメージもありますし、シワや肌触りが苦手という方もいます。
リネンライクの素材は、このシワや独特の肌触りを解消しした生地で、見た目やサラッとしたドライタッチはまさにリネンのようです。
防シワ性があるということは、洗濯が楽ということ。洗濯が楽ということはイージーケアという事。イージーケア商品というのは、毎日着る日常着にはありがたいですね。
今後もこのリネンライク素材は、気軽に春夏感を楽しめるという点で定番化していきそうです。
如何だったでしょうか。
展示会に行くと、なんとなくそのシーズンのムードや提案したいイメージが伝わってきますが、前シーズンと何が違うのかと言われると難しく感じます。
基本は、20SSと同じ方向性で、流れが進んでいる事は間違いなさそうです。
20SSでは、ストリート系の勢いが弱まり、21AWではランウェイでのセットアップ提案が増えているようなので、22SSはまたちょっと違う方向性が提案されるかもしれません。
あと、思ったのですが、プルミエールビジョンは本当に写真に厳しいですね。結構広い会場ですが、うかつにスマホを持とうものならその気がなくてもスタッフに「写真を撮るな」と注意されます。
勝手なイメージですが、特にアジア人に厳しい気が。。。
みなさんも来場の際はご注意下さいませ。
セレクトショップでの販売やオーダースーツの採寸や縫製に携わってきました。
2020年に女の子が生まれました。日々の成長を楽しみに仕事しています。