ApparelX News編集部のヤマヨシです。
前回はコイルファスナーの注文方法とテクニック~務歯数合わせとは~について書きました。
今回はそのコイルファスナーの手配時に知っていたほうが良い在庫状況や加工についての注意点をお伝えします。
YKKファスナーはコイルファスナーだけではなく、全てのファスナーにおいて言えることが、SKUの多さです。
SKUとはStock Keeping Unitの略で、在庫管理や受注管理するための最小管理単位になります。
要は、ファスナーで言えば「エレメントサイズ」「エレメント種類」「テープ長さ」「テープからー」「エンドタイプ」「スライダー」の6種類の要素により1つのファスナーが出来上がっています。
各要素が何種類もあり、その全てを在庫することは、デッドストック(不良在庫)を生み出す結果になります。
そのため、YKKやファスナー卸、付属屋は顧客の動向を見極め、使用される可能性の高いファスナーのみを在庫しています。
コイルファスナーでは、3サイズと5サイズは500番台のカラーを中心に、80CMのオープンファスナーと20CMの止めファスナーを在庫しています。また、黒や白などはチェーンで在庫しているので、即日の対応が可能です。
45サイズも3や5には劣るものの500番台のカラーを中心に在庫しています。
8サイズや10サイズは黒のみ在庫しており、2サイズについては在庫していない場合が多いです。
サンプル作成のための在庫のため、量産の対応は不可能だと言えます。(場合によっては白・黒のようなオーソドックスカラーであれば、対応可です。)
先を見越した手配が必要ということですね。
コイルファスナーは短く加工して、ご要望の長さに詰め加工することが可能です。その場合の多くは、長めのファスナーの料金+加工賃がかかることがあるので、工場生産で作るよりも割高になります。サンプル作成や、どうしても1本すぐに欲しいんだ!!という際は探せますが、多くの場合が似寄りと言ってご要望の色に似ているカラーでの提案となります。
加工をする場合は、いくつか注意点があるので、ご紹介します。
3コイルオープンの場合が多いですが、エレメントのコイル部分が小さく、取るのが面倒という理由で上耳にコイルが残ったままになる場合があります。
それが嫌な場合は、「上耳務歯なし」と伝えるとしっかりと、取ってくれます。
こちらの方がきれいですよね。
通常、工場生産されたコイルファスナーの上止めは、エレメントカラーと同じ樹脂がつけられていますが、加工すると樹脂ではなく、金属の上止めになります。
こだわるブランドさんの場合、加工NGという場合もありえると思います。
指定の長さに詰めるために、どこに上止めをつけるか印をつけて、
初めに、上止めを裏側からつけます。
外れないようにペンチで潰して取り付けます。
これで上止めがつきました。
余分なテープをカットします。
そして余分なコイルを手で解いていきます。
ハサミでカットして
最後にピンキングバサミでカットして完成です。
このように何工程にも渡り、細かい作業なので、本数が多い場合は、加工の時間がかかる場合があります。
ファスナーの定番であるコイルファスナーでも全てを在庫している訳ではなく、トレンド、オーソドックスな色を在庫しているのですね。
サンプルや、数着程度で急ぎの場合は加工の注意点を理解した上で、手配するのが良いですね。
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ApparelX News編集長。
レディース・カジュアルブランドのデリバリ業務を経て、現在は、アパレル資材BtoBサイトApparelXの運営をしています。自分自身が分かりにくかったことや、役に立てる情報を発信していきます。