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皮?革?アパレルのレザーにまつわるお話~革の基礎知識編~

ApparelX News編集部のmammyです。

身近なアパレル製品にはその革の特徴や用途によって様々な革が使われています。
バッグやベルト、財布、靴、ジャケット、文房具など誰もが1つは革を使ったアイテムを持っているのではないでしょうか?

革は使い込む程に味が出てきて、且つ手入れをすれば長く使えるという素材です。
知れば知るほど革の世界は奥深くその種類や加工方法等は多岐に渡ります。

今回はそんな革の世界の入り口となる基礎知識やその長所などについてご紹介して行こうと思います。

皮と革の違いとは

動物の「かわ」は動物から剥いでそのまま製品に使えるという訳ではありません。生の状態の為、そのままにしていればいずれは腐ってしまいます。
それを防ぐ為に「なめす」工程を加えて変質しないようにしたものを「革」と呼びます。「皮」はなめす前の生皮(なまがわ)の状態を指します。

 

どんな動物の皮も革として使えるの?

 

動物の皮は全て革として使えるのかと言ったらそうではありません。実は革に出来るのは背骨を持った動物=脊椎動物のだけなのです
具体的には哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類、両生類などです。
脊椎動物の皮は身体を支える必要が無いので、柔らかく伸縮性があります。また重力によって体が垂れ下がるのを防いで、体位を保つ役割があるので革に加工するのに適しています。
では脊椎動物じゃない動物の皮って何があるんだろう…?と考えると甲殻類や昆虫などの無脊椎動物が挙げられます。
無脊椎動物の甲羅や殻はその固さによって体を支えていますが、革のようになめすことが出来ないのです。

なんだか生物の授業の様な話になっていますが、動物の体の構造が革に加工出来るかに密接に関わっているのですね。

 

革にはどんな動物が利用されるの?

 

前述で革になるのは脊椎動物と書きましたが特に多くを占めるのが哺乳類と爬虫類です。
その後に鳥類、魚類が続きます。

[哺乳類]牛、豚、羊、ヤギ、鹿、馬、カンガルー、イノシシetc
[爬虫類]ワニ、トカゲ、ヘビ、カエル
[鳥類]ダチョウ
[魚類]エイ、サメ

豚、牛、ヤギ、羊、馬などは食肉の副産物として皮が利用されていますが、その他の動物達は多くが野生動物なので利用が制限されています。

 

 

革の長所と短所とは

 

革は天然素材の長所とそれ故の短所もあります。その長所と短所は表裏一体といえますがどんなものがあるのでしょうか?

長所
・他の素材には無い革特有の高級感や気品を持っている。

・長年使い込む事で表面の表情、色が変化し味が出てくる。特に薄色の変化は顕著に現れます。

・触れた時のしっとりとした手触りの良さ、極上の感触。直接触れたり、身にまとう素材としてぴったりです。

・吸湿性、放湿性がある。靴の内側など、蒸れやすい部分に使われる事もあり、この長所が活きてきます。

・頑丈で丈夫、長年使える素材。動物を守っている役目を持つのでちょっとの事ではすり切れたり破れたりはしにくいです。

短所
・水に弱い。水に濡れた後に放置すると型崩れや収縮する事もあります。

・染色堅牢性が悪い。水に濡れた際の色落ちや長年使うことによって段々と退色して行きます。

・個体差があるので品質、形状が一定ではない。一枚の革の中でも部位によって性質が異なるので、全く同じものを作るという事は出来ません。

 

 

代表的な革の種類

 

牛革

革の中でも最も流通量が多いのが牛革です。
国内で取引された革の全体量の8割を占めているとも言われています。
アパレル製品で目にするのも1番多いのではないでしょうか。
生後2年以上の牛の革は成牛革と呼ばれ、一般的に牛革と言えばこの成牛革を指します。
成牛革はサイズが大きいので大きく面積が取れ、様々な用途に使えます。
ジャケットやコート、バッグ、財布、靴、ベルトなど多岐にわたります。

羊革

羊の種類はなんと1000種類もあると言われています。羊の革は薄くて柔らかく、極上の肌触りです。
年齢によってシープとラムに分かれます。シープは生後1年以上、ラムは生後1年未満の羊を指します。
シープは肉食用のヘアーシープと毛を利用するウールシープがあります。
そのしなやかさと保温効果もあるので、手袋やウェアなどに用いられます。

豚革(ピッグスキン)

出典 http://lees-products.com/colors/leather_material.html

革は輸入が主ですが豚革は日本国内で自給自足ができる希少な革です。表面には毛が3本づつまとまって生えているので3つの毛穴があるのが特徴です。
ピッグスエードという少し起毛して製品になる事が多く目にすることも多いかもしれません。通気性に優れて薄いので小物や靴の内側に使われたり、耐久性もあるのでバッグにするのにも最適です。

鹿革(ディアスキン)

出典 https://basic.cypris.co.jp/mag/6620/

ディアスキンは非常に柔らかくてしなやかさが特徴です。私も以前触ったことがありますが、革とは思えないほどしなやかでしっとりとしていて衝撃を受けました。
表面はマットな風合いです。日本では以前は武具によく使われていたようです。

 

まとめ

革は使うごとに表面の色落ちや柔らかさが出て風合いが変わってきたりと経年変化を楽しめる他には無い素材です。
また動物の種類や部位、加工方法によっても様々な使い方ができます。
それぞれの革の特性を知り、どんな革を使うか吟味することも製品や作品を作る上での面白さではないでしょうか。

 

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