こんにちは。メンズ営業の青木です。
昨年末に毛芯の形状について記事(「ジャケットに使われる毛芯とは?~Vol.1~ 毛芯の形状編」)を書かせていただきましたが、今回は「毛芯のつくり」について説明しようかと思います。
専門的な分野なので敬遠されがちですが、前回よりも突っ込んだ内容を盛り込んでいきたいと思いますので、是非 最後まで読んでいただけましたら嬉しいです。
それでは今回は、最も基本となるフル毛芯(総毛芯)で説明させていただきます。
フル毛芯(装毛芯) ジャケット身頃全体の芯が入る形状になります。
台芯・胸バス・肩バス・フェルト※・スレーキ※
※印は使用しないことがあります。
以上、5つの部品から作られ、それぞれ役割をもっております。
①台芯 ジャケットフロントの形状・風合を決定する部分
②胸バス 胸周りの形状保持
③肩バス 肩周りの形状保持
④フェルト 着衣地のクッション性や芯地の当たりを軽減するため
⑤フロントボタン部分の補強と毛芯と表生地の動きの差(収縮差)を軽減しフロントカット部分をキレイにする。
最近の傾向としては選ばれる生地の細番手化、軽量化ということもありフェルトやスレーキは使われないことが多くなっていております。
(スレーキは最近使われることは稀です。)
ジャケットの形状は立体的に作られていおり、その骨となる毛芯もその形状に合わせて立体的設計されなくては芯として機能しないので毛芯の設計においてはジャケットのダーツ位置やダーツによるクセ取りの量に合わせたクセ取りを行います。
それを行わなとせっかく立体的に作られたジャケットのフロント部分が平べったくなってしまいます。
サイズの展開によっては毛芯の大きさ自体も変えなければダーツ位置が適正ではない場所に入ってしまいキレイに仕上がらないこともあるので要注意となります。
毛芯のそれぞれのパーツはチドリミシンなどによりそれぞれが動きに融通性を持ってしつけられております。
それにより着衣地の体の動きや生地自体の動きに対しても馴染み着心地を阻害しない様になっております。
また、シツケをチドリではなくルイスミシンによってすくい縫いすることもありますが、こちらは細番手の密度の多い生地などですとチドリの糸によるアタリが表面にでるケースがありますが、ルイスミシンを使用してシツケることで毛芯表側にでる糸を減らしアタリをへらすことが出来ます。
毛芯において使われる材料の吟味も重要ですがその材料を用いて的確な形状・作り方を行わないとその効果を発揮することは出来ません。
ご使用の際は今回ご説明させていただきました内容を頭の片隅に入れていただけると幸いです。
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特に毛芯地と接着芯に関しては四半世紀のキャリアをもってます。
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