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革製品を作る際には「鞣し(なめし)」の違いも気になる!皮革にとってのなめしとは?

ApparelXNews編集部のmammyです。

前回の記事ではどんな動物の皮が「革」として利用出来るのかやその長所・短所など革の基礎知識についてご紹介しました。(前回の記事はこちらから)

革はその種類・なめしの方法・仕上げ方の組み合わせによって特徴が変わってきます。

前回の記事では、「なめす」ことで動物の「皮」を「革」へと変化させると触れました。
そもそも「なめす」というのはどういうことなのでしょうか?

 

「鞣す」とはどういうこと?

動物の皮はナマモノですので何もせずそのままの状態ではいずれは腐ってしまいます。
動物の皮から毛と表皮を取り除き、腐らせず、柔らかさを保ちつつ伸ばす方法が「なめし」という技術です。

 

皮と鞣しの関係

革製品や革作品を作る上で「これはどんななめし方をしている革なんだろう?」と考える方はあまりいないかもしれません。
しかし、鞣しの方法によって革の特徴などが変わってくるので知っておいて損は無いと思います。

鞣しの方法としてはクロムなめし・タンニンなめし・混合なめしの3種類が一般的です。
ではそれぞれどんな特徴があるのでしょうか?

 

鞣しの代表的な種類

【クロムなめし】

 

 

原料 クロムという金属の化学薬品
方法  「タイコ」という大きなドラム式洗濯機のような機械に皮と薬品を一緒に入れて回すという方法
革の質感 革自体が薄く柔らかい
メリット キズがつきにくい
染料に染まりやすい
時間と手間がかからず低コスト
色の変色があまりない
デメリット コバ(革の切った断面)の処理が必要
金属成分なのでアレルギーが出る恐れがある

 

【タンニンなめし】

 

原料 タンニン(植物の樹皮から抽出した渋)
方法 濃度の違うタンニンを溶かした大きな水槽に皮を順々に漬け込んで行く方法。
革の質感 革自体が硬くて丈夫
メリット 型崩れしにくい
時間と共に色味が変化し、深みがでる
コバ(革の切った断面)の処理をしなくてもそのままの風合いを活かせる。
天然由来なので肌がデリケートな人にも安心
デメリット 工程に時間がかかる(長いと数ヶ月)
表面にキズが付きやすい

 

・着色しないタンニンなめしの革=ヌメ革

画像出典:http://cocomeister.jp/f_lecture/curriculum02.htm

ヌメ革は着色していないのでタンニンそのままの色が出ておりナチュラルな印象です。
革自体はとても硬くカバンなどに最適です。

ヌメ革は革に含まれるタンニンが太陽光や人の手の脂などの影響を受けて変色して行きます。
使い込むごとに薄いベージュだった色が艶を帯び、アメ色に変化していくのが特徴と言えます。

 

【混合なめし】

原料 化学薬品と植物成分の混合
方法 1.   クロムなめしを行った後にタンニンなめしを行う方法

2.   1と逆の順番に行う方法(逆コンビなめし)

革の質感 革自体が薄く柔らかい
メリット キズがつきにくい
染料に染まりやすい
経年変化もある
デメリット それぞれのメリットの個性はオリジナルのなめしのほうが優れている

結局はどのなめしをした革がいいの?

一番は革の質感で気に入ったものを使うのが良いかと思います(これを言ってしまうと元も子もないですが・・・・)

ですが、なめしの方法によって個性が違うのも確かです。

前述の通りですが長年使っていく中で色や質感の変化を楽しみたい、楽しんでもらいたい!(革を育てて行きたい!)という人はタンニンなめしがいいでしょう。
また、ジャケットや手袋など柔らかい質感が良ければクロムなめしの方が合っていますね。
原料も化学薬品と天然成分という大きな違いがあるので、金属アレルギーなどが心配な人はタンニンなめしが安心です。

 

そんななめしの特性も頭の片隅に入れつつ革を選んでみるのはいかがでしょうか?

 

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