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富士吉田産ジャカード裏地の魅力をご存知でしょうか?

ApparelX News編集部のゆーたです。

今回は裏地について紹介します。スーツの裏地と一括りにまとめても柄や色、織り方等多岐に渡りますが、クローズアップするのは「甲州織」です。

 

 

甲州織とは

 

山梨県富士吉田市を中心とする郡内エリアで織られる織物であり、シャットル織機により丁寧に織り上げた裏地です。低速な織機で織り上げますので、1日に1反(30~50m前後)程度しか生産出来ません。近年ではレピア織機という生地を高速で織る事が出来る織機もありますが、非常に高価な為、導入されている機屋さんは僅かです。

タテ糸には異型断面糸(ポリエステル)を使用している為、他のポリエステル繊維と比べて風合い、光沢は別格です。

富士吉田市は遥か昔から機織りが盛んだったようです。(筆者は実際に現地に行くまで、ぶどうと焼きそばと吉田うどんのイメージしかありませんでした。すみません。)

 

甲州織の魅力

 

  • 先染めの美しさ

    先染めですので、タテ糸とヨコ糸が織り成す美しい色合いを持つ裏地が出来上がります。後染め(プリント柄など)に比べて難度の高い織物になりますが、富士山の麓のこの歴史ある織物集積地では常に技術を向上させてきました。

  • ジャカード織りの妖艶

    プリント柄では味わえない立体感のある模様がジャカード織機 [wiki] にて紡がれます。低速織機ですのでたゆみのない美しい布地が織り上がります。

  • 再生繊維キュプラ

    甲州産地でもコットンから作られるキュプラが主役になりつつあります。シルクとともに高級裏地の代名詞になりつつあるキュプラですが、キュプラ100%のほかにも丈夫さを増す為のポリエステル糸との交織もあります。

  • 日本の技、高い品質

    長い歴史で積み上げられた経験とノウハウ。そして品質に100%コミットする職人たち。廉価な織物はすべて中国など海外の工場へと移行しましたが、高品質スーツを構成する高級裏地ではものづくり大国日本の独壇場になります。

  • 小ロット対応

    海外との競争に打ち勝つ為、甲州産地も様々な進化を遂げました。わずか1ロールから染色が可能な技術と設備、わずか50mから入れ替え可能なタテ糸など、幅広いニーズに応えるために小ロット生産可能な体制を産地をあげて作り上げています。

                

 

まとめ

 

昔から甲州織の裏地はフルオーダースーツの高級裏地として重用されていました。手裁断の為、テーラー様の裁ち台のスペースに限りがあるので、生地幅が75cmになったそうです。

製造工程が1つ1つ分業制であり、また織機の速度や騒音の問題で1日中稼働出来ないので、量産や即納等には不向きです。

主な工程は次回記事にて紹介させて頂きますので、楽しみに待っていてください。

 

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