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400番手のシャツ生地!?_ものづくりにかける熱き想い_ユニチカテキスタイル

毎度!! ApparelX News編集部の山佑です。

今回は、先日文化学園で開催された第7回全国アパレルものづくりサミットで聞いたセミナーレポートをしたいと思います。*以前に編集部カヤバがこちらのサミットについて記事を挙げておりますので、こちらもぜひご覧ください。「第7回全国アパレルものづくりサミットレポート 日本のものづくりの現場とは

上記の過去の記事では、佐藤繊維さんのパートをピックアップしておりましたが、今回はタイトルにもありますように、ユニチカテキスタイルさんのメーカーズシャツ鎌倉さんと共同で作り上げた”400番手のシャツ生地”について講演されていましたので、そこをお伝えしたいと思います。

まず、ユニチカテキスタイルさんは、国内の繊維メーカーでありますユニチカのグループ会社になりまして、1999年に設立されました。岡山県にある常磐工場にて今回の400番手という、ちょっと聞いたことがないほどの細番手の生地を作り上げたんですね。

それもそのはずで、今まで300番手が一番細いとされていたそうなので、聞きなれないのも合点がいきます。*ちなみに綿番手は簡単に言うと糸の細さを表しており、数値が大きくなればなるほど細くなります。

それでは、400番手のシャツ生地について少し掘り下げていきたいと思いますが、

まずは原料です。こちらは超長綿と呼ばれる、インド南部原産の”スビン”の中でも1割~2割程度の”スビンゴールド”という綿が原料となります。スビンは人の手によって摘み取られています。*スビンは”スジャータ”と”海島綿”を掛け合わせたハイブリット綿になります。

スビンは、繊維1本1本の繊度が2.9ミクロンという非常に細く、また繊維長が平均40mmと長くなっており、その繊維を甘く撚ることによって作り上げられる糸は、コットンでありながらシルクやカシミアの風合いになります。

この”スビンゴールド”の繊維をユニチカテキスタイルさんの精紡交撚(せいぼうこうねん)の技術を活かし、今までにない400番手という高みにチャレンジしたのです。そのためには、専用ラインを新設し、精紡機を独自に改良し、安定した紡績の製造に向けて取り組んでいったそうです。

そして、それが出来るようになった後に、西脇にある協力工場にてエアジェット織機で生地として織り上げ、さらに福島にある縫製工場にて、メーカーズシャツ鎌倉さん向けのシャツを縫製していきました。

このように文書にすると、なんかサラッとしてしまいますが、糸の製造に1年、紡績に1年、そしてサンプルにサンプルを重ねた縫製に1年と、商品として出来上がるまで3年の月日をかけたそうです。

最後に仰っておりました。ものづくりはまず意識が大事で、スピードを優先させ、あとはひたすら製造プロセスの改善に次ぐ改善、それを愚直にコツコツと積み上げて、ようやくいいものが出来上がるのだと。

まとめ

このサミットの冒頭スピーチを、メーカーズシャツ鎌倉の会長である貞末良雄さんがされたのですが、その時に、国内でのアパレル生産は全体の2%で、98%は海外生産となり、大量生産大量消費は限界にきている。そこで、世界に目を向け、日本のものづくりを発信していくのだけど、ただ”Made in Japan”ではダメで、「世界で唯一無二のもの」でなければならない、とお話しされておりました。

まさに今回ピックアップさせていただきましたユニチカテキスタイルさん(もちろん今サミットで登壇されたほかの企業)も、それを成し遂げているなと感じました。

また最後に、製品となっている400番手のシャツを触らせてもらいましたが、とても滑らかな肌触りでしっとりとしており、ただ単に柔らかいや軽い、だけでなくしっかりと生地として打ち込まれており、想像していたより遥かに目が詰まっている感じがしました。残念ながら400番手のシャツ生地は取り扱いがございませんが、たくさんの生地を扱っているアパレル資材BtoBサイトApparelXをぜひご利用ください。