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接着試験って何?何がわかる??

メンズ営業の青木です。接着試験の重要性は以前記事にさせていただきましたが( 過去記事 接着芯地手配時の注意点 )。

接着試験の見方と注意点。アイテムや素材よっての試験結果が適正かどうかの判断やその結果をどう捉えてどう使うかについてお話しようかと思います。

接着試験報告書

接着試験を依頼すると報告書が出来上がってきます。ポイントとなる項目ごとに説明します。

使用プレス機

ここには接着試験を行う接着機の機種が記載されます。機種によって実際にかかる圧力が違うので縫製工場で使用されている機種の確認が必要です。(※ここの点は重要なので別記ご説明します。)

アイテム・使用箇所・表地素材

ここの情報はこの接着テストがどのような服のどの部分で使う芯地なのかを記録しておく箇所になります。

接着条件

接着テストで接着した際の条件が記載されております。ここに記載されている条件を参考にして実際に縫製工場様で芯地をボンディングされる際の設定を行います。(※ここの点は重要なので別記ご説明します。)

接着力

ここのデーターの数値が接着芯地が生地に接着されているか判断する数値になります。

寸法変化率

接着芯をプレスした際にかかる温度や製品になって洗濯をした際に表生地や着芯が収縮します。その割合が許容範囲に収まっているか、否かを判断する為の数値が記載されております。

外観変化

ここでは接着芯を貼ったことで発生した外観の異常の有無を判断する箇所になります。モアレの発生や接着樹脂のシミ出し(ボンディングの際に溶けた接着樹脂が表側まで染み出してしまう)などを確認することが出来ます。

別記

前述で2点の重要な点がありました。

接着試験を行うプレス機と縫製工場様で使用される機種が違うことが多いです。

ゲージ圧とはそれぞれの機種の設定値になります、ですが実際にかかる圧力は同じゲージ圧力でも機種が変わると実圧も変わってしまいます。

そこで線圧という数値を参考に機種ごとに対応するゲージ圧を導き出す必要があります。

画像の試験書では機種:アサヒJR600V ゲージ圧:0.20Mpa 線圧16.8N/cm とあります。

この線圧を参考に使用される機種に当てはまるゲージ圧を導き出します。

例えばアサヒJR1000LTSで上記数値に該当するゲージ圧は0.15Mpa弱になります。

試験結果を参考に工場のプレス機を確認し適正な接着条件を工場へ指示する、もしくは工場の通常設定されている条件と機種を確認してそれに合わせた条件で試験を行うといったことが重要になります。

試験結果は問題なかったのに製品にしてみたら問題があったといったケースはこの接着条件が実際のボンディングの条件と合っていなかったということもあります。

接着試験依頼する生地の大きさ

接着試験の際に寸法変化や外観変化を判定する為にある程度大きさが必要です。

芯地1品番でギリギリでタテ15cmXヨコ15cmの大きさで初期接着力・寸法変化の検査が出来ます。洗濯後のデーターの数や芯地のマーク数によって必要な大きさが変わります。

試験のやり方

試験条件の設定

判定したい表生地と接着芯が推奨する接着条件で行うことが多いですが、縫製工場様で接着プレス機の温度設定は温度の上げ下げで時間がかかることもありあまり変更したくないと言ったケースもあるので工場で普段設定されている条件で試験を行うこともよくあります。

風合確認・寸法変化・外観変化

ボンディングした試験布を確認しマーキングした部分の距離を測り寸法変化を確認。

表側に染み出しやモアレ等の発生の有無を確認します

接着力測定

接着力は幅2.5cm(1インチ)の短冊状の状態で計測します。この状態で接着芯が剥がれるためにどのくらいの力が必要なのかを重量数値化します。

接着力の見方

アイテムや使用箇所、生地、接着芯の基布によってどの程度の接着力が必要なのか判断しなければなりません。

充分な接着力か?

接着試験報告書に判定する箇所がございますので試験の際はその情報も頂けると適正な判断が可能です。

基布がポリエステル長繊維の接着芯で伸度のある芯地は表地が動いても芯地基布もその動きについていくので300g/2.5cmあれば十分であったりしますが同じ表地に対して短繊維の伸度の無い芯地の場合は表地の動きについていかず同じ接着力でも剥離してしまうということがあります。

洗濯後の接着力変化は?

ドライクリーニング後や水洗い後の接着力の変化も確認が必要です。

主に剥離が発生するのは洗濯後や製品洗いなど芯地をボンディングした後の条件によって発生します。

アイテムの洗濯表示や洗い加工、製品染めなど加工が入るものなどは事前にその点を留意した試験を行ってください。

初期接着力で700g/2.5cmでも水洗3回したら200g/2.5cmに落ちていたとなると家庭洗濯などには向かないといったことになります。

接着試験の際はこういった点も考慮して判定を行いますので試験を依頼する際は詳細な情報を頂けると的確な判断が可能となります。

まとめ

以上、接着試験をすることで判ることや出来上がった後の事故防止の為にも試験は行ってください。

またこの記事で試験結果の読み方の参考になれば幸いです。

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