ApparelX News編集部のmammyです。
生地には織り方や加工方法など様々な名前が付けられています。
なかなかその名前を聞いただけではどんな生地なのか分かりにくいものもあります。
今回は春夏におすすめな生地について解説をしていきたいと思います!
前回のブログでは秋冬向けの生地について解説しましたので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
ローンは薄手でやや透け感があり春夏のブラウスやシャツにぴったりな平織りの生地です。織り糸に 60~100番手という細くて上質な糸を使用する事で、薄く繊細で上品な光沢感がある生地となります。
ローンという名前の由来はフランスの町、ラン(Laon)が原産の麻の薄い織物。その風合いを綿で再現した物が現在のローンです。
素材は綿・綿ポリエステルの混紡・麻ななどが用いられます。
ボイルは粗い織り目で透け感のある薄手の平織りの生地です。撚りの強い糸を使うので生地には比較的ハリとコシが出ます。
通気性がとても良く、清涼感がある風合いなので夏物のシャツやブラウス・ワンピースなどにおすすめです。
ボイル(voile)はフランス語で英語のveil(女性の顔や頭を覆う薄い布の意味)に当たります。ウェディングヴェールの「ヴェール」は誰しも聞いたことがあるのでは?そのヴェールからボイルという名前は来ているんですね。
「クレープ」は強く撚り合わせた糸を使用し、布地の表面に縮みの様な独特なしわ(シボ)が表れる平織物の総称です。
ヨコ糸に強撚糸を用いて、製織後に精錬を施すことで、強撚糸が撚りを戻そうとして布の表面にシボが表れます。
夏物のストールやブラウスなど夏の服地に全般的におすすめです。
ちなみにクレープは「細かいしわ」の意味。
楊柳はクレープの一種で布地の表面にたて方向に長いシワ(しぼ)が表れる織物のことです。吸水性が高く、風通しもよいので汗をかいてもすぐに乾かしてくれ、さらっとした肌触りをキープ出来る生地です。
湿気の多い日本の夏にのもってこいの生地ですね。
タテ糸に無撚糸・ヨコ糸に強撚糸を用いて平織りにし、その後精錬を施すとヨコ糸に撚りを戻そうとする力が働き、布がヨコ方向に縮んで表面にシボが生まれます。
この「楊柳」という名前ですが、しだれ柳の様な細長いしわから名付けられました。
リップルは布の表面にさざ波上のシワや凹凸を与える加工で、リップル加工を施した布地をリップルと呼びます。
リップル(ripple)は英語で縮み・さざなみという意味なんです。
綿やレーヨンなどの薄手な織物に苛性ソーダなどの液を付着させて、強度の収縮を起こし生地に凹凸を与えます。
肌に接する面積が少なく、肌へのまとわりを防ぐので、夏用のブラウスやシャツ・ワンピース・スカートなどにぴったりです。
布地の表面に波状のしわが縞状に表れる織物がサッカーです。男性物の夏向けのシャツやパンツ・パジャマ・子供の甚平などにもよく使われますね。
張力の違う2種類の糸をタテ糸に配列して、収縮度の違いで表面に細かい縮みジワを作ります。
先に出てきたリップルの生地も表面に凹凸がでますが、後加工による縮みジワで、サッカーが一番しっかりした生地感があります。
タテ方向に畝を出し、ストライプの織柄を作る平織物がコードレーンです。
張りがあり、やや固めの素材感で夏物のスーツやジャケットの定番生地です。
見た目にも爽やか・軽やかで暑苦しい時期に清涼感を与えてくれますね。
畝が出来る理由はタテ糸の太さの違いにあります。
例えば白×青などの場合はタテ糸に白と青の糸を数本ずつ交互に配置します。
その際、青の糸に太い糸・もしくは引き揃え糸*を使うことで白糸との厚みが変わり畝が出来ます。
*2本以上の繊維を引き揃えただけで撚りをかけていない糸のこと。
ガーゼは包帯や傷の手当などの医療用品やここ最近は布マスクにも使われるのを目にすることも多くなりました。
撚りの甘い糸を粗く平織りにする事で柔らかく通気性・吸水性の高い布地にしています。
ガーゼについては過去の生地で詳しく解説しているので、そちらも併せてご覧下さい!
夏物のポロシャツでおなじみの鹿の子生地は編み物の生地です。
小さめの凹凸の編目柄を編地全体に作っています。
鹿の斑点模様の様な細かい編目柄からこの「鹿の子」の名前は来ています。
通気性が良く、サラッとした着心地の鹿の子生地は夏の定番生地ですね。
薄い網状の編地で六角形の編目が特徴です。透けていて軽く、ハリ感があるもの・柔らかいもの様々な種類があります。
ウェディングベールやドレスなど装飾性の高いものに使われたり、ここ最近はスカートやニットの袖部分やと組み合わせて使われたりと日常着でも目にすることが多くなりました。
最も薄い織物の一つで粗目に平織りしたもの。
本来は絹織物ですが、レーヨン・ナイロン・ポリエステルなど化学繊維のものも増えて来ました。
繊細な透け感と柔らかさがスカートやドレス・ブラウスなどにおすすめです。
美しい光沢感があり、薄く透け感のある平織りの布地がオーガンジーです。透け感があり地の目はかなり粗く、かなり軽い生地ですが、張り・弾力・コシがあるのが特徴です。
素材は綿・ポリエステル・絹などが用いられ、絹で織ったものは「シルクオーガンジー」と呼ばれます。
エレガントなドレスやスカーフ・コサージュ・アクセサリーなど装飾性が高いものに使われます。
夏におすすめな3大素材といえば、綿・麻・レーヨンではないでしょうか。
綿(コットン)
吸水性が高く、通気性も良いのでTシャツ・シャツ・ブラウス・パンツなど幅広く使われます。
麻(リネン)
シャリッとして固さのある手触りは汗をしっかり吸い取ってくれ、通気性も良いので夏アイテムにぴったりです。強度もあるので、衣料だけでなく、バッグなどでも使えます。
レーヨン
滑らかな質感で落ち感があり、触った時にひんやりとした感じがあります。
吸水性にも優れているのでブラウスワンピース・ルームウェアにもおすすめの素材です。
これらは天然繊維・再生繊維ですが、近年吸水速乾や冷感機能があるポリエステル生地なども多く開発されています。天然繊維が持つ良さもありますし、機能性という付加価値の点では合成繊維が多く選択肢がありますので、作られたいアイテムに合わせてお選び頂ければと思います。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ生地の特徴を知って製品やアイテムを作る際に生地を選ぶ一助となればと思います。今回ご紹介させて頂きました生地は全てApparelXにて販売中です。
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某総合手芸材料専門店の店舗勤務を経て、オークラ商事へ入社。
現在はレディースブランドの資材のデリバリやアパレルBtoBサイトApparelXの顧客対応を中心に行っています。
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