ApparelX News編集部のmammyです。
日本で最も有名なファスナーメーカーと言えばYKKファスナーですが、その種類は多岐に渡ります。
アパレルメーカーの方でも注文方法についてもなかなか複雑で発注が苦手・・・という方も多くいるかと思います。
今回は初めてファスナーを注文する方へも分かりやすく、種類や発注方法について基本的な所から徹底解説します。
目次
ファスナーにはこの様にパーツごとに名前が付いています。
後で出てきますが、スライダーも選択肢が沢山あり、特にファスナーの種類によってはエレメントの色を変えたり、上止や下止にも指示をする場合があります。
なかなか1つの資材に対して細かくカスタマイズする様なものはファスナー位しかないのではないかと思います。
基本的にファスナーの発注する場合は
・ファスナーの種類
・製品区分(止め・オープン・逆開など)
・長さ
・テープの色
・スライダーの種類
・本数
を指示する事が基本となってきます。
ファスナーと一口に言ってもその種類は多くあります。
大きく分けると3つに分ける事が出来ます。
エレメント部分が金属で出来たファスナーです。アルミ合金・銅合金を使用しているので丈夫なファスナーですが、金属故にファスナー自体に重さが出てきます。
強度を持たせたいバッグやジーンズなどのパンツ、スカート、アウターなどにおすすめです。
金属ファスナーについては過去の記事で詳しく解説をしているのでご参考下さい。
コイルファスナーはエレメント部分がポリエステルやナイロンなどの合成樹脂で出来ているコイルの様に螺旋状になっているファスナーです。柔軟性があり、衣服からカバンなどの小物まで幅広く使われるファスナーです。
コイルファスナーの中でもいくつか種類があり、25FKファスナー(フラットニットファスナー)はエレメント部分も薄く、表に響きにくいのでレディースのパンツの前たて部分やスカートなどに使われます。
ファスナーが柔らかく存在感が少ないので、小さいポーチなどの小物にもおすすめです。
コンシールファスナーはエレメントと縫い目が表に出ないファスナーです。主にワンピースの後ろの開きやスカートのサイドのファスナーに使用される事が多いです。
下止の金具をスライドさせることで長さを調節することが出来るので、主に在庫しているのは22CM,56CMとなります。在庫がない長さをご希望の場合はYKKの工場へ発注となります。
ビスロンファスナーはエレメント部分が樹脂を射出して成型したファスナーです。耐久性もありつつ、金属ファスナーなどに比べると軽量なのが魅力です。
スポーツウェアやブルゾンの前開き部分やバッグなどに使われます。
基本的にエレメントとテープ部分は同じ色ですが、金属に似せたビスロンメタリックファスナーや左右のテープの色とエレメントの色も変えられるコンビファスナーなどもあります。
ビスロンファスナーについてはこちらの記事で徹底解説をしているので、詳しく知りたい方はぜひご覧下さい!
多種多様なファスナーにはそれぞれ品番がついています。その品番について紐解いて行こうと思います。
5VSC ビスロン® ファスナー 5サイズ 止
5VSC
まず品番の頭についている数字はエレメントのサイズを示しています。
サイズが大きくなればなるほどエレメントの1つ1つのサイズも大きくなって行きます。
基本的にはエレメントのサイズは3~10サイズまで5種類程となります。(ファスナーの種類などによって数字が異なったり、無いサイズもあります)
サイズの選び方はデザインと使用用途によって異なります。
5VSC
次のアルファベットはエレメントの素材を指します。
ファスナーの種類については前述の通りです。
VSはビスロンのスタンダードファスナーの略になります。
コードはYKKのファスニング専科に掲載されています。(ファスニング専科はWEBから見ることが出来ます)
5VSC
最後のCは製品区分(エンド部分)を指します。
CはCLOSEの略で、止めファスナーを意味します。止めの他に開(製品区分:OR、OL)、逆開(製品区分:MR・ML)があります。
開(製品区分:OR、OL)はファスナーのテープが左右に分かれるタイプでブルゾンやアウターの前たてなどに使われるファスナーです。オープンファスナーとも言います。
YKKはオープンファスナーの場合、右差し(OR)が基本となります。(日本人は右利きが多いだからの様です)
左差しを希望する場合はOLで指示して下さい。
逆開はオープンと同様にテープが左右に分かれるファスナーですが、上からも下からも開く事が出来るので、スライダーが2つ付いています。
冬物のアウターなどでよく見かけるタイプのファスナーですね。
スライダーはファスナーの開け閉めする為の引手の部分を指します。
スライダーにも1つ1つに品番が付いており、その形や機能は異なります。
頭のアルファベットは、スライダーの素材を表しており、「D」は亜鉛合金材です。
スライダーの場合、特に機能を表すアルファベットが2文字目になって来るので、注意して見てみましょう。
オートマチックロックは引き手から手を離すと自動的にロックがかかり、引き手を引っ張ることによってロックが外れる機能です。
オートマチックロックタイプのスライダーは洋服に主に使われており、
スライダーを離しても勝手に下がることがないため、 ブルゾンの前立、パンツ・スカートなどに使用されます。
ノンロックは引手が胴体のどの位置にあってもロック作用を持たないスライダーです。
ノンロックは別名、自由スライダーとも呼ばれ、主にバッグなどに使われることが多いスライダーです。ロックがかからないので、バッグなどの引手はエレメントの両端をもって引っ張ると開きますよね。
ノッチロックは胴体肩口にノッチが付いていて、チェーンを肩口に当てるように開くとロックする機能です。
ノッチロックは、胴体のチェーンが当たる部分にノッチがついており、中に入っているものがパンパンであれば、ロックがかかって勝手に開かないようになるスライダーです。主に財布などに使われることが多いようです。通常の洋服などでは、ノンロック同様に勝手に開いてしまうので、選ばないようにしてください。
スライダー選びについても奥深いので、過去の記事をぜひご覧下さいね。
ファスナーのテープカラーは全部で約600色あります。
色見本はYKKのカラーカードがあるので、そこに実物のテープが貼られていてピッタリの色を探す事が出来ます。
生地に合わせるのか、配色にするのかはデザインによって異なりますよね。
ファスナーの発注する際には長さ(CM)を指定します。
ファスナーの長さはファスナーを閉じた状態で上止から下の止め具の先端までを図ります。
基本的に1CM刻みでの発注になりますが、0.5CMの指定をすることも可能です。
いよいよ発注する品番が決まったら発注をします!その時に確認する事が
・工場手配
・加工手配(納期優先)
かということです。
ファスナーは今まで解説してきた通り、その組み合わせによって種類が無限にあります。
その為、ファスナーのメーカーでは全てをストックしておく事は不可能です。
基本的には工場手配での受注生産となり、その場合は定価となるのでコストを抑える事が出来ます。
ただし、1から工場で作るので納期がかかってしまいます。(基本的には3~4週間程かかります)
量産などで大量にファスナーが必要な場合はこちらを選択するのがベターです。
加工手配の場合は既に出来上がっているファスナーやチェーンのファスナーを短くカットして加工をします。
メリットとしては短納期で手配が可能なので、サンプル作成など急ぎの場合はおすすめです。
ただし、人が手作業での加工になるので、長いファスナー代金+加工賃が発生するため価格は割高になります。
また希望の色やスライダーがない場合は似寄り(似た色・形)のご案内になる場合もあります。
コストや納期に合わせて工場手配にするのか、加工手配にするのかを選んで下さいね。
ファスナーはコイルファスナーやビスロンファスナーの場合、上止や下止めの指定もする事が出来ます。
逆にコイルファスナーは指示をしないと上止めが金属製のものが付いて来ます。
樹脂が付いてくると思ったのに・・・とならない様にしっかり理想の形になる様に指示をして発注しましょう。
詳しくは過去の記事で解説しているのでご覧下さい。
ファスナーは品番体系や指示する事が多いので、難しい部分も多いですが、今回の記事を読んで頂ければきっと注文も簡単に出来るのではないかと思います。
今回ご紹介したファスナーはアパレル資材サイトApparelXで購入可能です。
ぜひファスナーを発注する際はApparelXをチェックしてみて下さい!
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某総合手芸材料専門店の店舗勤務を経て、オークラ商事へ入社。
現在はレディースブランドの資材のデリバリやアパレルBtoBサイトApparelXの顧客対応を中心に行っています。
日々取り扱う商品や経験などを分かりやすくご紹介すべくApparelX News執筆に励んでいます。
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